2016年4月18日月曜日

第1340話 チューブばっかり三兄弟 (その4)

よみせ通りの「今一」。
焼き鳥自体はそこそこながら見映えに難があって
町なかでときおり見掛ける鶏肉専門店、
そのお持ち帰り用といった水準だろうか。
焼き鳥屋としては店名通りイマイチ、今一つなのである。

2串を食べ終え、今一度品書きを手に取ったが
品目貧弱にして食指の動きを誘発する料理は何一つない有り様。
ここはあらかじめ想定していたタレ焼きに絞るしかない。

焼き鳥屋でも焼きとん屋でも
来れば絶対に外さないレバー(130)。
そして当店唯一の稀少部位、ハツモト(180)を追加した。

ハツモトは心臓に通ずる大動脈である。
これをラインナップに加えてるんなら
「今一」も捨てたモンじゃないかもなァ。
何でや? ってか?
”脈”があるっちゅうことでんねん、へへ。

  ♪   上目使いに 盗んで見ている
    蒼いあなたの 視線がまぶいしいわ
    思わせぶりに 口びるぬらし
    きっかけぐらいは こっちでつくってあげる

    いわゆる普通の 17才だわ
    女の子のこと 知らなさすぎるのあなた
    早熟なのは しかたがないけど
    似たようなこと 誰でもしているのよ

    じれったい じれったい
    何歳(いくつ)に見えても 私 誰でも
    じれったい じれったい
    私は私よ 関係ないわ
    特別じゃない どこにもいるわ
    ワ・タ・シ 少女A            ♪

           (作詞:売野雅勇)
    
中森明菜がブレイクしたのは1982年。
彼女2枚目のシングル、「少女A」がその起爆剤だった。
どちらも佳曲、来生えつこ&たかおの姉弟コンビによる、
デビュー曲「スローモーション」、
3枚目「セカンド・ラブ」にはさまれて
より明菜の本質に迫り、
個性を前面に押し出した「少女A」は大好きな曲だ。
とは言うものの、マイベストは第9弾の「十戒」だがネ。

おっとっと、少女Aじゃないヨ、オヤジAだヨ。
アラサーとの会話がだんだんエスカレートしてきた様子。
ちょいとばかりやかましいが
まっ、どうにか許容範囲ではある。

このときであった。
異様な光景を目にしたのは―。

=つづく=