2017年4月12日水曜日

第1599話 蒲田の本店 はしご酒 (その3)

JR蒲田駅東口、ロータリーに面した「三州屋本店」にいる。
残念ながらカウンターがいっぱいで
テーブル席に差し向かいだ。
三州屋カラーとでも言おうか、
この店特有の心安らぐ空間のもと、
つかの間のシアワセをかみしめていた。

かきフライを却下された相方が代わりに海老フライを注文。
いいでしょう、いいでしょう、海老チャンならいいでしょう。
こちらはチョコチョコッとつまんだだけで生から瓶に切り替える。
キリンのクラシックラガーである。
生も瓶も銘柄はキリンなのだ。
先日、紹介した東神奈川の「根岸家」もキリン一辺倒だった。
大田区もまた、キリンの勢力圏かもしれない。

何かもう一品をと卓上の品書きを手にとると、
どぜう三兄弟が目をひいた。

=どじょう料理=
 どじょう丸煮(600円) 
 丸煮柳川(700円)
 柳川鍋(800円)

ふ~ん、どぜうかァ・・・
いや、ちょいと待てヨ。
これからまだまだはしご酒を楽しむ予定、
どうにか思いとどまって早々に切り上げることにする。

蒲田駅のエスカレーターを上って下って駅の反対側、
西口に移動したのだった。
「三州屋本店」のあとは「鳥万本店」、
本店のはしご酒である。
「鳥万」は実に8年ぶりの再訪だ。

見覚えのある店内は先刻と打って変わって
This is KAMATA!といった風情。
老若男女でゴッタ返している。
どうにかキツキツの卓に相席ですべり込み、
肩を寄せ合った。

ありがたいことにここにはアサヒのスーパードライがあった。
小袋入りの柿の種&ピーナッツとともに運ばれきて
再びの乾杯である。
スッキリしたノド越しに頬がゆるむ。
それにしても立て混んでるな。

つまみは甘海老刺しと小肌酢。
甘海老はまずまずながら
小肌には疑問符が打たれた。
小肌特有のかすり模様がずいぶんと粗いのだ。

=つづく=

「三州屋本店」
 東京都大田区蒲田5-11-10
 03-3731-5647