2017年4月20日木曜日

第1605話 ブリにクジラを食べさせた (その2)

高倉健自らが歌う「唐獅子牡丹」の歌詞を
ご覧に入れたわけだが
レコード版とBGM版の微妙な違いを
ご理解いただけただろうか?

やくざ渡世の歌に文学もへったくれもあるもんか!
ってか?
まあ、そう言われればそうかもしれないんでやすが
このシリーズの根っこにあるのが
”滅びの美学”である以上、
文学的香りを帯びるのは宿命とも言えましょう。

それにしても阿倍のとっつぁんは
国民的俳優に国民栄誉賞を贈らなかったねェ。
国民的作曲家の船村徹の場合もそうだった。
日本を代表する国民的タカ派は
映画も観なけりゃ音楽も聴かねェってか。

もっともあの賞はそんときそんときの首相の胸三寸。
おのれの人気取りに利用するのが常だったから
意外と真っ当な神経を備えているのかもネ。
だけどなァ・・・。

とにかくアメリカオオカミに対するシッポ振りだけは
何とか奏功しているように見えるが
他の外交(とりわけ対ロシア)ではことごとく失敗し、
国会で発したたった一言の勇み足のせいで
自身をがんじがらめにしてしまい、
真実を隠し通すことに躍起となるしか術(すべ)を持たない。
この国のリーダーとしてはまことに情けない。
哀れむべし。

それはそれとしてとある週末、エンコの街にやって来た。

浅草→恩賜公園→公園→エンコウ→エンコ

これが浅草の別名の由来だ。
隣り街の上野をノガミというが如し。
もっとも上野にも恩賜公園があるんだけれど―。
まっ、エンコを紹介するために
「唐獅子牡丹」の歌詞を長々と綴ったわけにござんす。

週末のことだから人出はすさまじいものがあった。
老若男女が入り乱れている。
人種だって和・漢・洋、
その肌の色も白・黒・黄色と咲き乱れ、
どの花見てもキレイだな・・・んなワケないか。

芋っ子を洗うような雷門前を避け、
浅草寺の背後から馬道を南に下り、
台東区浅草1丁目1番地1号に到着したのであった。

=つづく=