2018年7月25日水曜日

第1922話 成増ではかき揚げを (その3)

「やまだや」のあさりかき揚げに大満足。
とてもユニークな揚げ上がりで
酒のつまみにピッタリだし、
飯のおかずにもバッチリだろう。
現に家族連れのチビッ子がお茶碗片手に食べていた。
 
ひっきりなしにといったふうでもないが
客足はなかなか衰えない。
カウンターはなく、小卓もないから
単身で訪れる客は相席を余儀なくされる。
一つのテーブルで晩酌と晩飯が同居する景色は
東京広しといえども、そうそうお目に掛かれまい。
 
さて、さて、
たこ揚げ@中村橋→カラオケ@練馬→かき揚げ@成増
と流れきて、そろそろ仕上げに取り掛からねば―。
手っ取り早いのは近場のスナックだ。
移動にあまり時間をさかれたくない。
 
昼下がりから飲み続けたが、ずっとビールで通した。
この夜はW杯の決勝戦が待っていたからネ。
酔いが回って居眠りなどしたら目もあてられん。
最後はスナックに相方を置き去りにして
早めの帰宅を決め込んだ。
 
家でシャワーを浴びながら気づいた。
今夜は食事らしい食事を取らなかった。
冷蔵庫から缶ビールを取り出したはいいが
何か作るつもりはサラサラない。
 
缶詰のつまみ、いわゆる缶つまでも開けようか―。
何だかそれすら面倒くさい。
だいたいサッカーというスポーツは
食事をしながら観るに不向きなのだ。
 
米人が好きな野球のように攻守交替がないし、
日本人の愛する大相撲のような仕切り直しもない。
とにかく画面に集中することが大事で
ロンドンのパブでは客はみんな立ったまま。
何も食わずにビールを飲みながらゲームを楽しむ。
 
襟を正してTVの前、さァ、キックオフである。
ところがギッチョン、
好事魔多しとはこのことで、いつの間にやら白河夜舟。
小唄の佳曲、「置炬燵」の文句じゃないが 
   ♪  ついうたた寝の耳元に  ♪
歓声で目を覚ますとクロアチアのゴールシーンだった。
やったぜクロアチア!
一瞬、歓んだものの、スコアはすでに4ー2。
あ~あ、やっちまったヨ。
自慢じゃないがゴールはただの1つも観てないぜ!
 
「やまだや」
 東京都板橋区成増2-19-3
 03-3930-5760