2019年1月18日金曜日

第2049話 ミンククジラは大はずれ (その1)

あまりの熱さに舌を灼かれた東武練馬の「飛鳥」。
ここの店名は「飛鳥」より
「火鳥」が似つかわしいんじゃないのかい?
いや、マイッたヨ。

駅前の大手スーパー、イオンに立ち寄る。
チーズを買い求めるためにネ。
翌日は終日フリーにつき、
自宅でゆっくり裕次郎のDVDでも観るつもり。
夕食というより、晩酌をじっくり楽しむつもり。
そこに生きる歓びを見い出すつもりなり。

よく冷えた缶ビール。
グレーン・ウイスキーのハイボール。
赤ワインはネッビオーロ。
そんな流れで行く予定だが
さすればチーズが欲しくなるだろう。

カマンベールとゴルゴンゾーラの
いいとこ取りみたいなカンバゾーラ(ドイツ)。
ほのかなほろ苦さが魅力のグリュイエール(スイス)。
レッドワイン・キラーのウォッシュタイプは
マンステール(フランス)。
3種も買い込んじまっただヨ。

東武東上線の線路に沿う、
ときわ通りを隣り駅の上板橋へと向かった。
途中、短い区間ながら桜並木が続くのは
西台中央通りとT字路で交差する辺り。
景色が古き良き昭和を偲ばせ、心を和ませてくれる。
いつか来た、この道が大好きだ。

上板橋駅界隈を徘徊して時間をつぶし、
そこから志村坂上を目指す。
通りすがった見次公園で一休み。
この小さな公園はとてもユニークでほとんどが池。
あとは低い崖しかない。
水面(みなも)に浮かぶ、
声なき番(つがい)のカルガモを眺めてしばらく過ごした。

17時過ぎに暖簾をくぐったのは割烹「飯綱」。
飯綱(あるいは飯縄とも)は北信州のそばの名産地だが
店名とのつながりは知らない。
カウンターの一番奥に通された。

昼はキリンラガーだったし、よく歩いたこともあって
スーパードライが勢いよくノドをすべり落ちてゆく。
あたかも峰よりおつる滝の如し。
1日24時間中、身も心もくつろげる極上のひとときである。

=つづく=