2019年1月1日火曜日

第2036話 IWC脱退に思う

新年おめでとうございます。
年が明けるたびに
同じ文句を重ねても仕方ないので
さっそく本題に入ります。

日本政府が来年6月末に
IWC(国際捕鯨委員会)を脱退すると発表した。
よって翌7月から日本のEEZ(排他的経済水域)内で
商業捕鯨が再開される見通しとなった。

=捕鯨支持国=
 クジラを資源として持続的に活用する

=反捕鯨国=
 知的生物・クジラを保護し、絶滅を防ぐ

両者の立場は永久に交わることなく平行線をたどる。
それも意見の食い違いたるや、とどまるところを知らず、
段違い平行棒もかくやの有様だ。

日本をはじめ、捕鯨支持国の資源活用というのは
もっぱら食肉としての利用だ。
こればかりは代替が利かず、
人工鯨肉の開発というわけにはいかない。

そもそも鯨肉は食肉として理想的であるらしい。
牛・豚・鶏に比べ、、タンパク質やビタミンAが豊富で
カロリー、コレステロール値は低く、
食物アレルギーのリスクも少ないという。

各種メディアは脱退のニュースを大きく取り上げ、
社説及び識者の意見の紹介に励んで
ほとんど語り尽くされた感が強い。
そこで脱退支持の立場にあるJ.C.は
少々、視点を転じて語ってみたい。

反捕鯨の旗頭を掲げているのはオーストラリア、
そしてニュージーランド。
もともと両国は国際問題に関して
強硬な意見を述べることがほとんどない、
いわば”おとなしい国々”だった。
それが、こと捕鯨となると、
シーシェパード並みの偏執的姿勢を貫いている。

なぜか?
世論もメディアも捕鯨支持国さえも
うかつに見落としているようだが
ここに彼らがけしてゆずれない大きな理由があった。

クジラやマグロが世界に広く普及すれば、
自国の貿易輸出におけるドル箱的存在、
牛肉・羊肉の需要が減ってしまうと考えているからだ。
上記2国のほかにも反捕鯨国は
ブラジル、アルゼンチン、アメリカなど、
食肉の大量輸出国が雁首並べている状態である。

絶滅の危機にあるクジラたちを
わざわざ銛(もり)のように残酷な方法で撃ち殺さずとも
ほかの肉を食べてれば、それで済むことじゃないか!

フン、よくおっしゃいますヨ。
すべては自国の利益、カネの問題に行き着く。
地獄の沙汰ならぬ、
自国の沙汰もまた、金次第なのである。
いや、実に人間とは
知恵浅くして、罪深き生きものでありますな。