その日は小一時間ほど不忍池の水景に和み、
そろそろ昼めしをと、上野広小路にやって来た。
アメ横のメインストリートが尽きるJR御徒町駅前。
思うところあって1本手前の路地を右折する。
長いこと休業していたとんかつ屋が復活を遂げていた。
「まんぷく」はカウンター8席ほどの極小店だ。
先代が亡くなり、一時閉じていたが
一昨年、再開したとの情報を得ていた。
店内をのぞき、空席を確かめてから入店。
顔がよく見えないけれど、鍋前に陣取るのは倅だろう。
カウンターの内・外をさえぎるボードのすき間が狭く、
造り手と食べ手の視線が合わない。
客からすると店主の下半顔しか目視できないのだ。
おっと、奥には女性が一人。
奥に居るから奥さんだろうか?
アゴしか見えんが取りあえず奥さんとしておこう。
サービスメニューのとんかつ定食を発注する。
味噌汁・お新香付きで900円とあった。
隣りの先客を差し置いて
こちらの定食がものの5分で出来上がる。
厚さ1.5cmほどのかつは横に細長い珍しいカタチだ。
一切れ味わってみると、肉質やや硬く筋切りも不十分。
脂身が少ないからとんかつの醍醐味を味わえない。
以前はもっとよかった気がするがなァ。
キャベツは手切りではなかろうがシンナリとして
浅草の名店「ゆたか」のしどけない繊切りに似ている。
これには感心したものの、
椀に半分しか注がれていない味噌汁の具は豚の端肉だけ。
切り落としではなく切れっぱしだ。
見た目貧相なうえ、恐ろしくしょっぱい。
完全に煮詰まっちゃってるヨ。
われわれは我慢できても、関西人にはまずムリだネ。
つぼ漬け風たくあんとキャベツ&きゅうりもみの新香は
豚汁同様にないほうがマシかもしれない。
盛りのよいライスは柔らかく、
ところによっては、雨になるでしょう・・・、
もとい、ベチャつくのでした。
卓上には食卓塩とキッコーマンに加え、
ウスターソースのほかにソースがもう1種。
てっきりとんかつソースかと思いきや、
濃度及び、粘度は中濃ソース以下である。
ウスターに近い漆黒の液体には黒い粒子がびっしり。
ヨソでは見掛けぬタイプの味わいは相当にスパイシーだ。
そしてソースはどちらも、これまたヒドくしょっぱい。
あとでノドが渇くこと必至なり。
=つづく=
そろそろ昼めしをと、上野広小路にやって来た。
アメ横のメインストリートが尽きるJR御徒町駅前。
思うところあって1本手前の路地を右折する。
長いこと休業していたとんかつ屋が復活を遂げていた。
「まんぷく」はカウンター8席ほどの極小店だ。
先代が亡くなり、一時閉じていたが
一昨年、再開したとの情報を得ていた。
店内をのぞき、空席を確かめてから入店。
顔がよく見えないけれど、鍋前に陣取るのは倅だろう。
カウンターの内・外をさえぎるボードのすき間が狭く、
造り手と食べ手の視線が合わない。
客からすると店主の下半顔しか目視できないのだ。
おっと、奥には女性が一人。
奥に居るから奥さんだろうか?
アゴしか見えんが取りあえず奥さんとしておこう。
サービスメニューのとんかつ定食を発注する。
味噌汁・お新香付きで900円とあった。
隣りの先客を差し置いて
こちらの定食がものの5分で出来上がる。
厚さ1.5cmほどのかつは横に細長い珍しいカタチだ。
一切れ味わってみると、肉質やや硬く筋切りも不十分。
脂身が少ないからとんかつの醍醐味を味わえない。
以前はもっとよかった気がするがなァ。
キャベツは手切りではなかろうがシンナリとして
浅草の名店「ゆたか」のしどけない繊切りに似ている。
これには感心したものの、
椀に半分しか注がれていない味噌汁の具は豚の端肉だけ。
切り落としではなく切れっぱしだ。
見た目貧相なうえ、恐ろしくしょっぱい。
完全に煮詰まっちゃってるヨ。
われわれは我慢できても、関西人にはまずムリだネ。
つぼ漬け風たくあんとキャベツ&きゅうりもみの新香は
豚汁同様にないほうがマシかもしれない。
盛りのよいライスは柔らかく、
ところによっては、雨になるでしょう・・・、
もとい、ベチャつくのでした。
卓上には食卓塩とキッコーマンに加え、
ウスターソースのほかにソースがもう1種。
てっきりとんかつソースかと思いきや、
濃度及び、粘度は中濃ソース以下である。
ウスターに近い漆黒の液体には黒い粒子がびっしり。
ヨソでは見掛けぬタイプの味わいは相当にスパイシーだ。
そしてソースはどちらも、これまたヒドくしょっぱい。
あとでノドが渇くこと必至なり。
=つづく=