2020年1月20日月曜日

第2310話 連日の三ノ輪参り (その1)

ジョイフル三ノ輪商店街の餃子に執着したんじゃないが
翌日も三ノ輪参りを決行した。
青年は荒野をめざすが、老年は餃子屋をめざす。
前日は徒(かち)を敢行したから
ちょいと楽してバスを利用することに―。

谷中と千駄木を分断する、よみせ通りにて
台東区のコミュニティバス、東西めぐりんに乗車。
ドライバーから乗換え券をもらい、
台東区役所で今度はぐる~りめぐりんに乗った。

ジョイフル商店街は花見に例えりゃ、まだ五分咲き。
2軒の餃子屋も片方だけ営業していた。
なるほど店先に細長いテーブルが無造作に出されている。
だけど、人通りの少ない通りに独りボーッと突っ立って
缶ビール片手に餃子なんか食ってられんぜ。

誰がどう見たって怪しいヨソ者。
通り過ぎる地元の婆ちゃんに
胡乱な目で振り向かれるに違いない。
吹き抜ける風も首筋をかすめてゆく。

あ~あ、今日もダメだったか・・・。
それでも表情に落胆の色浮かばぬのは
正月の成せるわざかいな?
まっ、今年ものんびり生きてくヨ。
人生なんて大体でいいんだ、大体で―。

アーケード入口に出戻ると一軒の町中華。
ここでビール&餃子にしようか―。
そのとき、傍らの小さな店に気づいた。
「中華そば 光」はちっとも光っておらず、
どちらかというと、くすんでいた。

前夜、王子でオマール海老ラーメンを食べたばかり。
ここでまた中華そばは多少の抵抗がつきまとう。
それでも心惹かれるポイントが3点も―。

その一、晩酌セットの用意があった。
その二、つまみに桜エビ煮玉子が含まれる。
その三、トッピングにカルピスバターあり。

いいじゃないの、渡りに舟の晩酌セット。
いいじゃないか、昨日オマール今日サクラ。
よって独り、桜を見る会の決行に及ぶ。

汚辱まみれのアホ首相、清廉潔白なアホJ.C.、
同じアホなら清いがいいに決まっとる。
IKKO もさおりも文珍もおらんけど、
連中だって今となりゃ、片棒を担いだことを憂い、
とまどいの日々を送っているのかもしれないネ。

=つづく=