2020年2月28日金曜日

第2339話 ビールとワインとティジェッラと (その2)

豊島区・目白の「ティジェッレリア ガタリ」。
モルタデッラをつまみながら
アブルッツォ州の中級ワインを立ち飲んでいる。
モルタデッラはエミリア=ロマーニャ州の州都、
ボローニャの名物、ラルドを埋め込んだ大型ソーセージ。

せっかくだからティジェッラをお願いした。
「生ハムでも挟んでくれる?」
「たぶん、こちらのほうが・・・」
こうしてすすめられたのがモデナ市民が愛してやまぬ、
ペスト・モデネーゼだったのだ。

モデナといえば、第一に思い浮かぶのは
稀代のテノール歌手、ルチアーノ・パヴァロッティ。
彼はこの街の出身。
そして今月亡くなったソプラノ歌手、ミレッラ・フレーニ。
二人は幼なじみで、嘘か本当か定かでないが
同じ乳母の乳を飲んで育ったという。
本当ならよほど良い声の出るオッパイだったのだろう。

余談ながら先日のNHK‐FMは
「オペラ・ファンタスティカ」。
ヴェルディの「ドン・カルロ」だったが
ブッタマげるような物凄い顔ぶれ。
ミレッラ・フレーニの追悼色強く、むろん本人と
夫君のブルガリア人・バス歌手、ニコライ・ギャウロフ。
三大テノールのホセ・カレーラスに
20世紀最高の美声の持ち主、エディータ・グルベローヴァ。
「カルメン」のタイトルロールををやらせたら
右に出る者ナシのアグネス・バルツァ。
とどめはヘルベルト・フォン・カラヤンの指揮ときたもんだ。
空前絶後とはこのことを指す。

厄介な所用を抱えており、熟聴できなかったのが残念至極。
こりゃ、CDを購入するほかはないネ。
やれやれ、令和2年はいろいろ出費がかさむヨ。

それはそれとして、この日はしこたま飲んだ。
グラスワインは白・赤ともに3種づつで
軽・中・重と異なる飲み口の取り揃え。
いずれも1グラス=500円と手軽なものだが
立ち飲むにはモア・ザン・イナッフ、実に気が利いている。

モレッティの小瓶2本
赤・中のダブルッツォ5杯
白・軽のモスカート(トスカーナ)1杯
赤・重のトレ・グラッポリ(シチリア)1杯
以上を節酒、もとい、摂取した。

途中、客が引けてイケる口のバーテンダレスと
サシで飲み始めたものだから
舞台は紅白酌合戦の様相を呈してきた。
こちらは引き揚げれば済むことなれど、
先方は日付が変わるまでシゴトが続く。
ずいぶんと迷惑をかけてしまったかも?
こりゃ近いうち、裏を返しに出向かずばなるまい。

「ティジェッレリア ガタリ」
 東京都豊島区目白3-4-15目白駅前ビルB1
  (入口は外の石段踊り場)
 03-6914-4554