平次親分のテリトリー、
なんだ神田の明神下に出没。
一時期、幾度か利用した「田幸」へ。
昼は定食屋、夜は居酒屋になるが
昼めしどきは初めてだ。
20年ぶりの訪れである。
店内はあのときのまんま、時が止まっていた。
オジさん一人、オバちゃん二人の切盛りは
代わったような代わらぬような・・・。
どうも記憶に自信が持てない。
野菜炒めが一番人気と聞いたが
誰一人食べていない。
みんながみんな焼き魚と肉豆腐のセットだ。
オバちゃんAにおそるおそる
「野菜炒めはできませんか?」
「あらァ、今日はお魚と焼肉豆腐の日なんです」
左右の隣客を盗み見ると、膨大な量である。
J.C.にはどちらか片方でじゅうぶんだ。
急用を思い出したとかなんとか言って
逃げ出したいけれど、思いとどまり、
覚悟を決めた。
こうなりゃまな板の鯉である。
鮭・あじ・たら・いわし・ホッケ・さば文化干し・
赤魚西京などが揃うなか、赤魚塩焼きでお願い。
ただし、常にみんな提供できるのではなく、
焼き物担当のオバちゃんBが
その時そのとき焼き上げた数種の魚から択ぶ。
一度にすべては焼けないからネ。
最初に出たのは目玉焼きみたいなヤツ。
店主が言うには揚げ出し玉子である。
初めて食べるがこれもアイデアだ。
しじみの味噌椀がシュウのイツ。
大粒4個は身もプックリと、
こいつは安くないぜと思わせる。
思わず旨いっ!
焼肉豆腐は焼肉に非ず。
すき焼きみたいに煮てあった。
まっ、すき焼きもすき煮とは言わないものネ。
豚バラ肉と大量の豆腐が鉢を埋め尽くす。
ここでまたおそるおそるオバちゃんBにお伺い。
「お昼はビールは出さないんですよネ?」
「瓶ビールなら」
「銘柄は?」
「キリンラガーかハートランド」
「ハートランドでお願いします」
誰一人飲んでない中、2本も飲んだ。
いや、難儀だった、悪戦苦闘した。
味なんかもう判らない。
昼間っから暴食したせいで
その夜の晩めしは抜きました。
昼にはもう来れない。
夜に来るとしましょう。
肉野菜炒め狙いでー。
「田幸」
東京都千代田区外神田2-5-4
03-5295-2900