わが家の近くには
鰻屋がザッと数えて5軒もある。
当然、すべて制覇したが馴染みではない。
その中で道灌山下の「稲毛屋」だけは
たびたび利用している。
昼にうな丼を食べるよりも
晩にうな串を合いの手に飲むことが多い。
しばらく無沙汰をしちゃったな。
気づいて調べてみたら、その間8年。
シャボン玉ホリデーの植木等じゃないけど
「こりゃまた失礼しましたァ!!
千秋楽を控えた昼に出掛けた。
ドライの中瓶でノドチンコを潤しながら
品書きに目を通す。
おお、そうだった、此処にはうな丼だけで
四種類もあるのだった。
5月末まで中骨を油で揚げた、
骨せんべいサービス期間中。
川魚特有の臭みを感じてあまり好まないが
粉山椒と生醤油の助けを借りて数本かじった。
うな丼・和風うな丼・関西風・白焼き丼。
一律1980円の昼限定サービス価格である。
それほどの違いはないが、それなりにエラい。
和風には焼き海苔とアサツキ。
関西風は蒸しの過程を省いて
言わば焼き魚ライスのうなぎバージョン。
東京ではあまりお目にかからない関西風をお願い。
タレの掛かりの少ないごはんの上に
上半身が横たわっていた。
少食のJ.C.にはうってつけのサイズだ。
粉山椒を振り、シモのほうから箸をつけた。
うっ、うまい・・・というほどではないな。
水準には達しているものの、
年の瀬に食べた墨田区・石原は
「川勇」の2300円に軍配である。
添えられたのは
ワカメの味噌椀と大根の浅漬け。
これが肝吸いと奈良漬、
あるいは山ごぼうだったらなァ・・・
というのは見果てぬ夢、高望みに過ぎない。
肝は無くともせめて吸い物にして欲しい。
値段が値段だから付くだけマシ。
そう言う向きもござろうが
うな丼に味噌汁は無粋の極み。
花のお江戸の食文化が泣く。
おっと、今日のうなぎは関西風でした。
「稲毛屋」
東京都文京区千駄木3-49-4
03-3822-3495