エンコの翌々日はノガミに繰り出した。
酒類や魚介の買い出しのためなんだが
何だかんだいって
しょっちゅう出没するエリアである。、
買い物の前に昼飲み、いや、その前に昼めし。
ところが平日だというのに狙い定めた店々は
行列だったり臨時休業だったり。
「上野藪そば」なんざ、臨時も臨時、
よせばいいのに大掃除とかで
店先にホースやらポリバケツを並べて
ジャブジャブジャブと来たもんだ。
浅草に比して外国人率では劣るものの、
たいそうな人出である。
結局は薬局、かつて
一度だけ利用した喫茶「マドンナー」へ。
その節のハンバーグは
どこぞのレトルトみたいな感じで
感心しなかったが背に腹は代えられない。
喫茶店のミートソースは
たまに当たることがあってもほとんど外れ、
めったに食べないオムライスにしてみた、
生姜焼き、カツカレー、ナポリタン、とんかつ、
ランチメニューは一律800円。
11~16時の提供である。
注文を取ってくれた中国娘の一本おさげが超長い。
背中を下がってお尻に届いている。
少女じゃなくて25歳くらいだが眺めていたら
ゴールデン・カップスが歌い出したヨ。
♪ 長い髪の少女 孤独な瞳
うしろ姿悲し 恋の終り
どうぞ僕だけに 心をうちあけて
どうぞ聞かせてね 愛の物語 ♪
(作詞:橋本淳)
「長い髪の少女」は1968 年4月のリリース。
強く心に残る1曲だが、この年はほかにも
「エメラルドの伝説」、「帰って来たヨッパライ」、
「恋の季節」、「伊勢佐木町ブルース」など、
J.C.的には邦楽の当たり年だった。
それはそれとしてオッサンは娘に訊ねた.
「そんなに長くなるのに何年かかるの?」
「4年くらいデス」
「4年でそんなに?」
「ソデス」
思ったより短かった。
いえ、髪が長く伸びるまでがサ。
=つづく=