2023年11月29日水曜日

第3416話 マジメにスケベな焼き鳥屋

日暮里駅前ロータリーの北側裏に
レベルの高い焼き鳥屋がある。
3~4年前に1度おジャマして
このコラムでも紹介したが利用はそれっきり。
いや、行っても入れないんだ。
これはコロナ禍でも変わることがなかった。

人気の秘密は安くて旨くて早いからだろうが
入れなきゃ物事は前に進まない。
いつしか忘却の彼方に押しやっていた。

とにかく店名があんまりで
「真面目焼鳥 助平」と来たもんだ。
スケベなんざマジメにやるもんじゃないだろがっ!
店主だかオーナーだか
名付け親の顔が見たいヨ、ったく。

まっ、いいや。
或る日の16時過ぎだったかな?
ふと思い出してスケベに会ってみる気になった。
17時開店らしいから誰かスタッフがいるだろう。
電話を入れた。
「今夜の開店は何時ですか?」
「もうやってますぅ!」
「一人だけどこれから行ってもいいかな?」
「待ってますぅ、お名前は?」

到着すると、先客はカウンターに7名。
14~5席あるから余裕だった。
他にテーブルが1卓。
おもてにも以前利用した1卓。
赤星の大瓶を通してトクトクトク。

突き出しはほうれん草のおひたし。
ひたひたの出汁に浮き沈みしている。
けしておざなりなものではなく、
丁寧に作られ、量もたっぷりで
野菜不足の解消になり得る。

さっそく焼き初めてもらった。
プリプリのハツとクニュクニュのハツモトを塩でー。
水準がとても高い。
続いてこれまたクニュクニュのハラミと
しっとりのフリソデをやはり塩。
フリソデは手羽元と胸肉のつなぎ目で快い歯応え。

アバラの周りのハラミは昔っから好きだ。
クリスマスに母親がローストチキンを奮発すると
いつもしゃぶっていた。
キレイに骨が残るまでしゃぶれりつくせり。

酎ハイに切り替え、箸休めとしちゃ、ちと量が多いが
スルメイカ(スルメじゃないヨ、生だヨ)の
山わさび醤油漬けで舌先を転換する。
そうしておいて焼き鳥の仕上げは
血肝とツクネをいよいよタレでー。

大瓶1本、酎ハイ2杯と合わせ、
満足のお勘定は3300円也。
17時過ぎたらいっぱいになるから
次回も早めに仕掛けよっとー。

「真面目焼鳥 助平」
 東京都荒川区西日暮里2-25-1
 03-5615-5140