風太に別れを告げて動物公園をあとにした。
さて何処で飲もう。
例によって鶴は早帰りを希望するので
早いとこ決めよう。
帰りの総武線沿いだと船橋だろうヨ。
時刻は16時半。
南口の飲み屋街に直行する。
船橋は何年ぶりだろ・・・
にわかには思い出せない。
思い当たる店とてないが飲み歩きのプロは
スマホなんぞに頼りはしない。
おのれの目を信ずるほかに手立てはないのだ。
すぐに目星はついた。
この店はいいゾ、いいに決まってる。
直感をヒットした。
「一平」は複雑な形の細長い、
カウンターだけの店である。
最近、白内障が進んでしまい、
壁の品書きがほとんど読めない、
すさまじい数の短冊を鶴に読み上げてもらった、
遠い動物園につき合ってくれたお礼だと言う。
これぞまさしく鶴の恩返し。
ドライの大瓶を注ぎ合う。
ラインナップを聞いていて
この店は只者じゃないゾ、その感を強くした。
鯨のカツとテキにも惹かれたが
まぐろの脳天刺しとカマ刺しにはもっと惹かれた。
より珍しい脳天に白羽の矢。
これがとても好かった。
薄くスライスされて見た目は
オックステールをコンパクトにした感じ。
舌に乗せたら濃密な旨味が拡がった。
うん、まことにけっこう。
大瓶のお替わりとともにもう1品いきたい。
まぐろつながりでまぐろのホッペフライを追注。
カスベ(エイ)や真ダラのホッペ肉は
食べたことがあるが
まぐろはおそらく初めてだ。
繊キャベを従えて
円く平ぺったいのが2枚付けで来た。
んん? 何だヨこの旨さ!
シットリとした身肉がフックラ揚がって
サカナのフライとしては超一級。
ホッペにチューしたいくらいだ。
脳天刺しには悩殺され、
ホッペフライにはホッペタが落ちた。
船橋に此処以上の酒場はないんじゃないかァ。
アイ・シャル・リターン! オー・イエス!
「一平」
千葉県船橋市本庁4-42-4
047-422-5122