2024年6月13日木曜日

第3557話 気ままに京都 一人旅 (その4)

四条通を渡り、西木屋町にやって来た。
「ラクダ」はとてつもなく見つけにくい。
高瀬川の右岸にあるが看板とも呼べない、
小さな立てパネルがあるのみだ。

2階に上がるとワインバーにしては明るい。
女性のツーオペだからかな?
チーフ・バーテンダレスが
ワインの好みを訊ねてくる。
ネッビオーロをお願いすると、
同じピエモンテのドルチェットを勧めてきた。
いいでしょう、いただきましょう。

銘柄はサン・フェレオーロ ’20。
ネッビオーロほどの深みはなくとも
味蕾にはしっかり寄り添った。
つまみは豚バラ肉のリエット。
こんなには要らないぜ、と思うほど
バゲットが5切れも付いてきた。

フェレオーロをもう1杯いただき、ビールへ。
サッポロ・エーデルピルスの生である。
グラスが小さく小ジョッキにも満たないので
何杯飲んだかな? 10杯くらいかな?

途中、妙齢のご婦人が来店し、隣りに着席。
北海道の恵庭からだと云う。
恵庭は札幌と千歳の間の千歳寄り。
仕事の関係で京都に来るたび、
「ラクダ」に立ち寄る古株だ。
楽しく語らい、気分よくグラスを重ねた。

時刻は23時。
19時からで4時間も居たことになる。
店は25時まで開いてるらしいが
そろそろおいとましよう。
この日も1時間ほど歩き、ホテルに帰った。

翌朝は喫茶店「六曜社」へ。
河原町三条の老舗は1950年創業。
もともと地下での営業だったが
’66年に1階の営業も始めた。

モーニングは厚焼きトースト・ゆで玉子・
野菜ジュース・アイスコーヒー。
自家製のドーナツが名代ながら
ドーナツを食べる習慣がないので見送る。

ごくフツーの朝食から
店の歴史はあまり伝わって来なかった。
前夜の酒のせいか、お冷やをガブガブ。
バイト(?)のコがひんぱんに注いでくれた。

今日の予定は高野川と合流する前の賀茂川右岸。
この川は合流して初めて鴨川を名乗る。
最初の目的地は御霊神社だ。
最寄りの鞍馬口までの行き方を
ママが丁寧に教えてくれる。

二人から老舗の親切心が
じゅうぶんに伝わりました。

=つづく=

「ワイン ラクダ」
 京都市京都府下京区西木屋町通四条下ル
 船頭町229 2F 
 075-344-6886

「六曜社」
 京都府京都市中京区河原町三条下ル
 大黒町36
 075-221-3820