バスに乗るのが好きである。
その次が電車で、地下鉄は一番最後。
窓の外が真っ暗闇だからネ。
地下鉄は辛うじて都営大江戸線が好き。
都知事だった石原慎太郎が試乗した際、
「ずいぶん狭いな」とのたまわった線だ。
東京メトロなら最古の銀座線がいいな。
上野御徒町のプラットフォームにたたずみ、
内回りでも外回りでも先に来た方に乗るつもり。
外が先着して乗り込んだ。
門前仲町・築地市場・六本木・都庁前経由、
終点光が丘行きである。
乗ってから考えるのは毎度のこと。
隅田川の下ををくぐり、墨東・森下で降りた。
のらくロードにでも行ってみよう。
清澄通りを南下していて通りの向こう側に
営業中の「鳥椿 深川森下店」を見とめた。
どこかで聞いた店名だが利用したことはない。
門仲の人気店「魚三酒場」の流れを汲む、
「魚三酒場 常盤店」の2軒隣りだ。
「魚三」が開くまでは2時間もあった。
ガラス越しに「鳥椿」の中をのぞくと
グループが1組和気あいあい。
よおし、決めた! 飛び込んじゃえ!
カウンターに滑り込む。
正面のテレビが「ミヤネ屋」を映していた。
ビールは黒ラベルの大瓶。
トクトクやってググイのグイ~ッ!
浅草でん、深川でん、
下町で飲む酒は胃袋に染み渡る。
山の手だととてもこうはいかない。
山の手が無くなっても東京は東京だが
下町が消えたら東京は北京になっちまう。
今日は朝食がブランチにズレてしまい、
ハムとトマト&きゅうり、
2種のサンドイッチを食べた。
よって飲みたいけれど、あまり食べたくない。
接客のオネバさんに
塩煮込みが鳥であることを確認して発注。
これがなかなか好かった。
鳥皮に加えて肩肉だろうか?
あとは豆腐とコンニャクだけ。
煮込みとして正しい姿だ。
塩煮込みは鳥が一番。
豚モツならば味噌が好く、
牛スジの場合は醤油の甘辛仕立てが好ましい。
それが煮込みの三段論法というものである。
カウンターにJ.C.から1席空けて
常連らしきオジさんが座った。
おやァ? オジさん何も言わないのに
飲みものが出て来たヨ。
=つづく=