2014年6月3日火曜日

第851話 金がなくても金町は・・・ (その1)

 ♪ 遊びじょうずな 人だから
   あなた 仕事を押上よ
   金がなくても 金町は
   させてあげます いい思い
   よってらっしゃい 
   よってらっしゃい お兄さん ♪
      (作詞:はぞのなな)

藤圭子が自死してもうじき1年。
彼女のナンバーでは一番好きな曲がこの「はしご酒」。
当ブログではすでに紹介したことがあるけれど、
好きなものは何度でも登場させるのがJ.C.の主義につき、
お許しを。
というのも歌の文句に出てくる金町を訪れたからだ。

陽光うららかにして初夏のそよ風が襟足に涼しい。
こういうのを緑のそよ風というのだろう。

  ♪ みどりのそよ風 いい日だね
   ちょうちょもひらひら 豆のはな
   七色畑に 妹の
   つまみ菜摘む手が かわいいな ♪
        (作詞:清水かつら)

上記の2曲。
かたや不健康な呑ン兵衛オヤジの”応演歌”。
こなた健康な少年少女の愛唱歌。
何とまあ、落差の激しいことヨ。

とにかく、そよ風そよぐ昼さがり。
所用で出向いた松戸から江戸川を渡り、葛飾区金町まで歩いた。
早いハナシが千葉県から東京23区内に戻ったわけだ。
寅さん映画で一躍有名になった葛飾・柴又の隣り町が金町。

映画ではよく、妹のさくらにカバンを持たせて
(シリーズ終盤は甥っ子・満男に代わること多し)
柴又駅のホームにたたずむ寅次郎の姿を見ることができた。
あれは隣りの京成金町発の上り電車、高砂行きを待っているところ。

京成金町線は全3駅しかないので柴又からだと
上りに乗ろうが下ろうが1駅乗ったらもう終点
寅さんは高砂で乗り換え、西郷さんの真下、京成上野に向かう。
そこからJR上野駅に移動し、どこか遠いところへ旅立つのである。

今は無き駅地下の食堂や、
これも消えたレストラン「聚楽(じゅらく)」がスクリーンに現れると、
懐かしくて心にさざ波が立ってしまう。
と、同時に「ドナウ川のさざなみ」か、
「アムール河の波」が耳にこだまし始める。
前者の場合はインストルメンタル、
後者のケースはダーク・ダックスのコーラス付きだ。

=つづく=