御徒町の「吉池」の鮮魚売り場でボラの白子に初めて出会った。
これが白子でなく真子なら日本三大珍味の一つ、
あの有名な唐墨(からすみ)に大化けして珍重されるが
白子のほうは見たことがない。
商品価値とてなく、廃棄されたり、
漁師さんの賄いにでもなっていたのだろうか?
J.C.は小学生時代に大田区・平和島に住んでいた。
当時の平和島橋の下はまだ埋め立てられておらず、
夏ともなれば多くの釣りバカ、もとい、
釣り人が糸を垂れていたものだ。
ターゲットはボラかハゼ。
水面のウキから目を離して彼方を見れば、
競走馬が走っていたっけ。
平和島競艇場の向こうは大井競馬場。
レースの様子が肉視できたのだった。
時は流れて今度は数年前、東京湾にボラが大繁殖。
神田川最下流に架かる柳橋から川面を眺めたら
もうウジャウジャのウジャ状態。
そのさまあたかも今は昔、
北海道の石狩湾に押し寄せたニシンの如く。
いや、びっくりしたなァ、もう!
「吉池」の売り場のオジさんとの会話はつづく。
「ボラの白子ってシャケみたいに大味なんじゃないの?」
「そうッスネ、ちょっと似てるかもしれないかな?」
「じゃあ、あんまり美味しくないだろうネ?」
「いや、ボラのほうがコクありますヨ」
「ふ~ん、そうかァ・・・じゃあ300gちょうだい」
300gで500円とちょっとだったと思う。
べらぼうに安い。
これがマダラの白子だったら1000円は下るまい。
トラフグだったら5000円は軽く超えるだろうヨ。
帰宅後、まず半量を煮付けにした。
湯を沸かし、醤油・砂糖・日本酒にしょうがを1片加え、
湯霜してブツ切りにした白子を鍋に投入。
5分ほどで白子を取り出し、煮汁はさらに3分ほど煮詰め、
小鉢に移した白子の上から掛け回す。
合いの手は冷やした清酒・浦霞だが
いや、マイッったな。
タラというよりフグの白子に近く、
かなりの美味に舌鼓ポンポンの巻である。
牛もつの煮込みのときと同様に翌日は趣向を変える。
残りの半量は塩・胡椒して小麦粉をはたき、
澄ましバターでソテーしてみた。
いわゆるムニエルでありますな。
仕上げはコニャックでフランベし、
安価なチリ産のシャルドネとともに味わうと、
ウワッ、これまたバッチリじゃないのっ!
いつまた逢えるか判らんが見かけたら必買の逸品は
奇妙どころか稀少な白子でありました。
「吉池」
東京都台東区上野3-27-12
03-3831-0141
これが白子でなく真子なら日本三大珍味の一つ、
あの有名な唐墨(からすみ)に大化けして珍重されるが
白子のほうは見たことがない。
商品価値とてなく、廃棄されたり、
漁師さんの賄いにでもなっていたのだろうか?
J.C.は小学生時代に大田区・平和島に住んでいた。
当時の平和島橋の下はまだ埋め立てられておらず、
夏ともなれば多くの釣りバカ、もとい、
釣り人が糸を垂れていたものだ。
ターゲットはボラかハゼ。
水面のウキから目を離して彼方を見れば、
競走馬が走っていたっけ。
平和島競艇場の向こうは大井競馬場。
レースの様子が肉視できたのだった。
時は流れて今度は数年前、東京湾にボラが大繁殖。
神田川最下流に架かる柳橋から川面を眺めたら
もうウジャウジャのウジャ状態。
そのさまあたかも今は昔、
北海道の石狩湾に押し寄せたニシンの如く。
いや、びっくりしたなァ、もう!
「吉池」の売り場のオジさんとの会話はつづく。
「ボラの白子ってシャケみたいに大味なんじゃないの?」
「そうッスネ、ちょっと似てるかもしれないかな?」
「じゃあ、あんまり美味しくないだろうネ?」
「いや、ボラのほうがコクありますヨ」
「ふ~ん、そうかァ・・・じゃあ300gちょうだい」
300gで500円とちょっとだったと思う。
べらぼうに安い。
これがマダラの白子だったら1000円は下るまい。
トラフグだったら5000円は軽く超えるだろうヨ。
帰宅後、まず半量を煮付けにした。
湯を沸かし、醤油・砂糖・日本酒にしょうがを1片加え、
湯霜してブツ切りにした白子を鍋に投入。
5分ほどで白子を取り出し、煮汁はさらに3分ほど煮詰め、
小鉢に移した白子の上から掛け回す。
合いの手は冷やした清酒・浦霞だが
いや、マイッったな。
タラというよりフグの白子に近く、
かなりの美味に舌鼓ポンポンの巻である。
牛もつの煮込みのときと同様に翌日は趣向を変える。
残りの半量は塩・胡椒して小麦粉をはたき、
澄ましバターでソテーしてみた。
いわゆるムニエルでありますな。
仕上げはコニャックでフランベし、
安価なチリ産のシャルドネとともに味わうと、
ウワッ、これまたバッチリじゃないのっ!
いつまた逢えるか判らんが見かけたら必買の逸品は
奇妙どころか稀少な白子でありました。
「吉池」
東京都台東区上野3-27-12
03-3831-0141