2016年9月2日金曜日

第1439話 ふりむけばリオ (その7)

夏季オリンピックにおける日本の金メダルの歴史は
アムステルダム大会(1928年)に始まる。
陸上三段跳びの織田幹雄と
競泳200m平泳ぎの鶴田義行が獲得した。
初めて女子選手の参加が認められた大会でもあり、
陸上女子800mで人見絹江が銀メダルに輝く。

以後、三段跳びはロサンゼルス(’32年)で南部忠平、
ベルリン(’36年)で田嶋直人と三連覇を達成し、
日本のお家芸となったものの、活躍はそこまで。
あとは真っ逆さまである。

前述したが日本のドル箱は競泳・体操・柔道・レスリング。
それ以外の競技で獲得した金メダルは
リオを含めて驚くなかれ17個に限られる。
だからこそ他競技での金は稀少価値が高い。

その17個の内訳を見てみよう。

 男子三段跳び・3   馬術障害飛越個人・1
 男子重量挙げ・2   男子ボクシング・2
 男子バレーボール・1   女子バレーボール・2
 男子射撃ピストル・1   女子マラソン・2
 男子ハンマー投げ・1   ソフトボール・1 
 女子バドミントン1
    (注:男子マラソンは隣国の方なので除外)

いやあ、暗澹とはしないけど、驚嘆してしまう。
語り済みの三段跳びはさておき、注目すべきは馬術の西竹一。
映画「硫黄島からの手紙」にも登場するあのバロン西である。
投降を呼びかけるアメリカ軍の声に耳を貸さずに戦死した。

重量挙げフェザー級で東京・メキシコで勝った三宅義信も偉大。
この競技では唯一の金メダリストにして連覇のオマケまでつく。
その遺伝子が姪っ子の銀&銅につながっているんだろうネ。

ピストルはソ連と東欧勢のいない、
ロスアンゼルスだったことも幸いしていよう。
それでも蒲池猛夫はいまだに
日本人最年長金メダリスト(48歳)の記録を維持している。

高橋尚子・野口みずきの女子マラソンは不滅の連続金の立役者。
漫画チックに乙女チック、トボケた顔してバン、バン、バン!
大変な偉業を成し遂げてくれたものだ。
世界中がビックラこいたに違いない。

ボクシングの桜井孝雄と村田諒太、ハンマー投げの室伏広治、
すべてが稀少にして貴重な金メダルである。

球技では東京・モントリオールを制したバレーボールに
北京のソフトボールと、マラソン同様に女子の活躍が目立つ。
ひるがえって男子はミュンヘンのバレーボールが唯一の金。
確かに準決勝のブルガリア戦は今でも語り草の大逆転ながら
片方の準決で東ドイツが難敵・ソ連を駆逐してくれてなければ、
十中八九、銀に終わっていたことだろう。

=つづく=
 (やっぱり終わんないや)