料理のセカンド・ラウンド、いわゆるセコンド・ピアットを。
ここは2皿ともJ.C.が選択した。
相方に任せると何を選ぶか知れたものではないからネ。
くわばら、くわばら。
まずはイワシのベッカフィーコ。
サルデ・アル・ベッカフィーコである。
ベッカは野の小鳥の一種、フィーコはイチヂクのこと。
メニューには和名でムシクイドリ風とあったが
直訳すればイチヂククイドリが正しい。
もちろん野鳥はいろんな虫を捕食するから間違いではない。
ではなぜにイワシが野鳥に変化するのだろうか。
理由が実に面白い。
開いた小イワシの内側にリピエーニ(詰め物)を施し、
尾びれに向けてクルクルと巻き込み、爪楊枝で止める。
その姿が小鳥にそっくりなのだ。
もっと判り易く例えると、
冬の電線に並んで止まるふくら雀の如し。
パン粉をまぶしてオーヴンで焼き上げるこの料理は
レーズンとオレンジが名脇役となるが
当店ではケッパーとレモンを代用している。
なかなかの仕上がりで美味しくいただいた。
イワシのベッカフィーコ。
この名を聞くと真っ先に思い起こされるのは
伊・仏合作の1本の映画だ。
「誘惑されて棄てられて」(1964年)のメガフォンをとったのは
イタリアの名優にして名監督、ピエトロ・ジェルミである。
ジェルミを世界的に有名たらしめたのは
主演を兼ねた「鉄道員」(1956年)と「刑事」(1959年)だろう。
前者は映画のデキもよく、
カルロ・ルスティケッリのテーマ・ミュージックも大ヒットした。
後者は映画としては不デキながら主題歌が一世を風靡した。
そう、「死ぬほど愛して」(シンノ・メ・モーロ)である。
♪ アモーレ アモーレ アモーレ アモーレ ミオ
ンブラッチョ アテーメ スコルド ニドローレ ♪
歌っていたのはアリダ・ケッリ、ルスティケッリの愛娘だ。
初めて聴いたのは小学校二・三年生の頃。
子ども心にも染み入る名曲だった。
時は下って「誘惑されて棄てられて」。
前作「イタリア式離婚協奏曲」(1961年)に続き、
舞台はシチリア島である。
シチリアの古き悪しき風習を痛烈に批判するコメディを
覚えておられる読者も多いことだろう。
以下、次話で―。
=つづく=
ここは2皿ともJ.C.が選択した。
相方に任せると何を選ぶか知れたものではないからネ。
くわばら、くわばら。
まずはイワシのベッカフィーコ。
サルデ・アル・ベッカフィーコである。
ベッカは野の小鳥の一種、フィーコはイチヂクのこと。
メニューには和名でムシクイドリ風とあったが
直訳すればイチヂククイドリが正しい。
もちろん野鳥はいろんな虫を捕食するから間違いではない。
ではなぜにイワシが野鳥に変化するのだろうか。
理由が実に面白い。
開いた小イワシの内側にリピエーニ(詰め物)を施し、
尾びれに向けてクルクルと巻き込み、爪楊枝で止める。
その姿が小鳥にそっくりなのだ。
もっと判り易く例えると、
冬の電線に並んで止まるふくら雀の如し。
パン粉をまぶしてオーヴンで焼き上げるこの料理は
レーズンとオレンジが名脇役となるが
当店ではケッパーとレモンを代用している。
なかなかの仕上がりで美味しくいただいた。
イワシのベッカフィーコ。
この名を聞くと真っ先に思い起こされるのは
伊・仏合作の1本の映画だ。
「誘惑されて棄てられて」(1964年)のメガフォンをとったのは
イタリアの名優にして名監督、ピエトロ・ジェルミである。
ジェルミを世界的に有名たらしめたのは
主演を兼ねた「鉄道員」(1956年)と「刑事」(1959年)だろう。
前者は映画のデキもよく、
カルロ・ルスティケッリのテーマ・ミュージックも大ヒットした。
後者は映画としては不デキながら主題歌が一世を風靡した。
そう、「死ぬほど愛して」(シンノ・メ・モーロ)である。
♪ アモーレ アモーレ アモーレ アモーレ ミオ
ンブラッチョ アテーメ スコルド ニドローレ ♪
歌っていたのはアリダ・ケッリ、ルスティケッリの愛娘だ。
初めて聴いたのは小学校二・三年生の頃。
子ども心にも染み入る名曲だった。
時は下って「誘惑されて棄てられて」。
前作「イタリア式離婚協奏曲」(1961年)に続き、
舞台はシチリア島である。
シチリアの古き悪しき風習を痛烈に批判するコメディを
覚えておられる読者も多いことだろう。
以下、次話で―。
=つづく=