2017年8月22日火曜日

第1683話 ブレーメンも炎天下 (その2)

東急東横線・渋谷駅。
これからどこで下車し、どこの止まり木に止まろうか?
思い惑うこの瞬間が
グラスを傾けるそのときより楽しいくらい。
呑ん兵衛とはそういうものだろう。

ロシアの文豪、ドストエフスキー曰く、
「コロンブスが幸福だったのは
 米大陸を発見した時ではない
 発見しつつあったときだ」
けだし名言。

候補地は
祐天寺・自由が丘・新丸子・武蔵小杉・元住吉、
といったところ。
祐天寺はちと近すぎる、新丸子は5月に行った。
ムサコとモトスミで迷った挙句、
やって来たのはモトスミである。

プラットフォームに降り立つと
季節外れのジャスミンの香りが鼻をついた。
この花の開花期は4~5月のハズ。
ところが帰宅後、
調べてみたら4~5月に加えて7~11月とあった。

東京の街を歩いていて
夏から秋にジャスミンの花を見ることはまずないけどな。
J.C.はこの花の香りが苦手。
だからこそ、より敏感なのだが
確かに嗅いだのはジャスミンの匂いだった。
ただし、その姿が見えない。

元住吉の駅舎は航空機のハンガー(格納庫)のよう。
十余年前の高架化に伴い、新駅舎を200mほどズラして
車両基地の真上に建てたためだろう。

長いエスカレーターを降りると、
目の前でブレーメンの音楽隊がお出迎え。
駅前商店街の集客にはグッド・アイデアだと思う。
オズ通り商店街もまたしかり。

駅の北側、ブレーメンを歩き始める。
いや暑いのなんのっ! クソ暑い。

  ♪   ギラギラ太陽が 燃えるように
     はげしく火を吹いた 恋する心
     知っているのに 知らんふり
     いつもつめたい あの瞳
     なぜ なぜなの
     ゆらゆら太陽は 涙ににじむ  ♪
         (作詞:湯川れい子)

安西マリアが歌った「涙の太陽」は1973年のリリースながら
8年前のエミー・ジャクソン版がオリジナルである。
いや、それにしてもアチいや。

=つづく=