近頃笑った話の第二弾いきます。
とある夕暮れだった。
仕事帰りの友人と銀座のビアホールで
中ジョッキをかたむけていた。
互いに次の予定があるのでホンの小一時間だった。
近況を語り合っていると、彼女曰く、
「先週、面白い光景を見ちゃったんです」
「ん?猫同士のケンカとか?」
「そんなんじゃなくって」
「猫が鼠くわえて走ってたとか?」
「ちょっとぉ、猫から離れてくれません?」
「ごめんネ、ごめんネ、はて、どんな光景ざんしょ?」
あらためて訊いてみたら
これが面白いのなんのっ!
吹き出し必至の愉快な話だった。
何でもその夜、遅い夕食を食べに
会社のそばの中華料理屋に入店したとのこと。
中央区でも隅田川に近い下町情緒漂うエリアである。
小ぢんまりした店舗に先客は一人のみ。
どこからどう見てもサラリーマンには見えない、
オジさんがビールを飲んでいたそうだ。
彼女も飲めないクチじゃないから
ビールを注文しようと思ったものの、
狭い店で二人きりのビールつながり、
妙な展開を警戒して五目焼きそばだけを注文する。
ほどなくオジンさんの料理が運ばれましたとサ。
友人は文庫本を取り出して読み始めたものの、
突然の大声に一瞬、
ビックラこいて心臓が止まりそうになる。
「何だヨ、コレ!油っこ過ぎて食えねェヨ。
ったくよぉ、ちゃんと厨房に言っとけ!」
見ればオジさんが食べてたのは
青菜か何かの炒め物らしかった。
まっ、中華料理の大半は炒め物だかんネ。
怒鳴られた接客係、中国人と思しき娘が
ムッとした表情でスタスタ卓に近づき、皿に手を掛けた。
そのまま下げて料理の作り直しと思いきや、
そうではなかった。
いきなり料理をオジさんの頭にぶっかけ・・・
てなことあるわきゃないわな。
彼女は手にした皿を卓上で斜めにかたむけ、
「これでいいでしょ、さァ、お食べ!」
とは言わないまでも、そのポーズをとり続けたそうだ。
やるもんだねェ。
さァ、これからどうなることでしょう?
=つづく=
とある夕暮れだった。
仕事帰りの友人と銀座のビアホールで
中ジョッキをかたむけていた。
互いに次の予定があるのでホンの小一時間だった。
近況を語り合っていると、彼女曰く、
「先週、面白い光景を見ちゃったんです」
「ん?猫同士のケンカとか?」
「そんなんじゃなくって」
「猫が鼠くわえて走ってたとか?」
「ちょっとぉ、猫から離れてくれません?」
「ごめんネ、ごめんネ、はて、どんな光景ざんしょ?」
あらためて訊いてみたら
これが面白いのなんのっ!
吹き出し必至の愉快な話だった。
何でもその夜、遅い夕食を食べに
会社のそばの中華料理屋に入店したとのこと。
中央区でも隅田川に近い下町情緒漂うエリアである。
小ぢんまりした店舗に先客は一人のみ。
どこからどう見てもサラリーマンには見えない、
オジさんがビールを飲んでいたそうだ。
彼女も飲めないクチじゃないから
ビールを注文しようと思ったものの、
狭い店で二人きりのビールつながり、
妙な展開を警戒して五目焼きそばだけを注文する。
ほどなくオジンさんの料理が運ばれましたとサ。
友人は文庫本を取り出して読み始めたものの、
突然の大声に一瞬、
ビックラこいて心臓が止まりそうになる。
「何だヨ、コレ!油っこ過ぎて食えねェヨ。
ったくよぉ、ちゃんと厨房に言っとけ!」
見ればオジさんが食べてたのは
青菜か何かの炒め物らしかった。
まっ、中華料理の大半は炒め物だかんネ。
怒鳴られた接客係、中国人と思しき娘が
ムッとした表情でスタスタ卓に近づき、皿に手を掛けた。
そのまま下げて料理の作り直しと思いきや、
そうではなかった。
いきなり料理をオジさんの頭にぶっかけ・・・
てなことあるわきゃないわな。
彼女は手にした皿を卓上で斜めにかたむけ、
「これでいいでしょ、さァ、お食べ!」
とは言わないまでも、そのポーズをとり続けたそうだ。
やるもんだねェ。
さァ、これからどうなることでしょう?
=つづく=