2017年11月23日木曜日

第1750話 一球ファウル 二球目ヒット (その2)

京王線とJR南武線が乗り入れている分倍河原。
駅そばの立ち飲み酒場「いっさ」のカウンターに独り。
ビールのアテに頼んだエシャレットには
味噌とマヨネーズが添えられていた。
エシャは好物だし、ビールとの相性もよい。
ただし、味噌は出汁入りでないほうがありがたい。

姦しいオバちゃんの携帯電話が鳴った。
すると話し始めた彼女の興奮度が急上昇するではないか。
電話を切った彼女曰く、
「今のレース、ウチの旦那がとったんだって。
 小遣い貰うからみんな飲んで、飲んで。
 マスターも1杯飲んで」
仲間も店主もみんなニッコリ、ご同慶の至りである。

中瓶がカラになり、清酒に移行した。
山梨の七賢を冷やで―。
南アルプスの麓、白州の名水から成る銘酒が
スゥ~ッとノドを通ってゆく。
”七”を冠する日本酒は木曽の七笑が好きだが
あちらは中央アルプスだ。

つまみをもう一品。
目を惹くもの、珍しいものは何もないから
仕方なくというんじゃないが厚揚げ焼きを頼む。
5分足らずで焼き上がった厚揚げは
当たり前のごくフツーの味がした。

店自体もフツーの立ち飲み屋だが
この小横丁に昔懐かしの裏ぶれ感があり、
その効果もあって評価が多少アップする。
ヒットとまではいかないものの、
とにかくバットに球が当たって空振りは避けられた。
ファウルとでもしておこうか。

ビールと日本酒、エシャレットと厚揚げで
お勘定は1430円也。
ちょい飲みには打ってつけといえよう。

次の目標は飛田給。
あまりなじみのない駅名ながら
味の素スタジアムの最寄りがここだ。
言わずと知れたFC東京(J1)と
東京ヴェルディ(J2)のホームスタジアムである。

調布在住の友人からここに佳店ありと聞いた。
店名は「いっぷく」、大衆食堂を兼ねた酒場とのこと。
ふ~む、「いっさ」のあとの「いっぷく」ねェ。
すんなり流れに乗った感じがしないでもないわな。

=つづく=

「いっさ」
 東京都府中市片町 2-21-17
 090-8307-2351