京王線・飛田給にやって来た。
東急東横線・元住吉を連想させる即物的な駅舎を出る。
目指す「いっぷく」まで歩くこと5分弱。
店先に立つと、ずいぶんと時代がかった構えである。
入口近くにカウンターがあり、数人の単身客が飲んでいた。
てっきりそこへ案内されるものと思いきや、
女将らしき女性に促されたのは誰もいないテーブル席だった。
カウンターのほうがいいのになァ・・・。
未練を残しつつも初めての店ではなるべく従順に―。
ビールは大瓶のサッポロ黒ラベル、異存はない。
店内を見回すと、何じゃ、こりゃあ!
すさまじい数の短冊が貼りめぐらされている。
短冊といっても七夕まつりの可愛らしいヤツではない。
もちろん料理名を記した品書きである。
枚数を数え始めたが途中でやめた。
これが本当の”数えきれない” と言うのでしょう。
けっこうな時間を費やして吟味に及ぶ。
意に染まった数品を紹介してみよう。
岩手の地だこ(400円)
お麩とゴーヤのチャンプル(600円)
ハムチーズカツ レバーフライ(各500円)
そんなところだが、これぞと選んだのは
ナマズフライ(380円)だ。
これは珍品にしてインパクトも強烈である。
滅多に口に入らぬ魚種だが好きなサカナだ。
以前、コリアンタウンの新大久保になまず料理専門店、
その名も「なまず家 魚福」があったが
10年近く前に閉業してしまった。
お昼のず丼、夜のず鍋が好評で
それなりの集客力もあっただけに惜しい。
数分後、整った皿には千切りキャベツを従えたナマズが数片。
ひと目で白身魚のフライと判るが
誰が見てもナマズとは到底、想像できまい。
端正な一皿に美味を確信した。
はたして・・・カリカリサクサクの食感はまさにカリサクの極み。
生臭み、泥臭さともまったくの無縁。
実に美味しく、加えてビールとの相性もピッタシカンカン。
これがたったの380円とは! 言葉を失っちゃうヨ、ジッサイ。
ナマズの「いっぷく」のおかげで
今回の対京王線は1安打を記録、歓ぶべし。
それにしても思い出すのは幼い頃、
初めてナマズを食したときの母親との会話。
「ナマズってどんな味がするの?」
「そうねェ、鶏肉とおサカナの中間かしらネ」
言い得て妙でありました。
=おしまい=
「いっぷく」
東京都調布市飛田給2-13-15
042-483-5601
東急東横線・元住吉を連想させる即物的な駅舎を出る。
目指す「いっぷく」まで歩くこと5分弱。
店先に立つと、ずいぶんと時代がかった構えである。
入口近くにカウンターがあり、数人の単身客が飲んでいた。
てっきりそこへ案内されるものと思いきや、
女将らしき女性に促されたのは誰もいないテーブル席だった。
カウンターのほうがいいのになァ・・・。
未練を残しつつも初めての店ではなるべく従順に―。
ビールは大瓶のサッポロ黒ラベル、異存はない。
店内を見回すと、何じゃ、こりゃあ!
すさまじい数の短冊が貼りめぐらされている。
短冊といっても七夕まつりの可愛らしいヤツではない。
もちろん料理名を記した品書きである。
枚数を数え始めたが途中でやめた。
これが本当の”数えきれない” と言うのでしょう。
けっこうな時間を費やして吟味に及ぶ。
意に染まった数品を紹介してみよう。
岩手の地だこ(400円)
お麩とゴーヤのチャンプル(600円)
ハムチーズカツ レバーフライ(各500円)
そんなところだが、これぞと選んだのは
ナマズフライ(380円)だ。
これは珍品にしてインパクトも強烈である。
滅多に口に入らぬ魚種だが好きなサカナだ。
以前、コリアンタウンの新大久保になまず料理専門店、
その名も「なまず家 魚福」があったが
10年近く前に閉業してしまった。
お昼のず丼、夜のず鍋が好評で
それなりの集客力もあっただけに惜しい。
数分後、整った皿には千切りキャベツを従えたナマズが数片。
ひと目で白身魚のフライと判るが
誰が見てもナマズとは到底、想像できまい。
端正な一皿に美味を確信した。
はたして・・・カリカリサクサクの食感はまさにカリサクの極み。
生臭み、泥臭さともまったくの無縁。
実に美味しく、加えてビールとの相性もピッタシカンカン。
これがたったの380円とは! 言葉を失っちゃうヨ、ジッサイ。
ナマズの「いっぷく」のおかげで
今回の対京王線は1安打を記録、歓ぶべし。
それにしても思い出すのは幼い頃、
初めてナマズを食したときの母親との会話。
「ナマズってどんな味がするの?」
「そうねェ、鶏肉とおサカナの中間かしらネ」
言い得て妙でありました。
=おしまい=
「いっぷく」
東京都調布市飛田給2-13-15
042-483-5601