2019年8月21日水曜日

第2202話 チャーハンをもう一度 (その2)

JR鶯谷駅北口改札前の町中華「大弘軒」にいる。
そう、当店のチャーハンと渋野日向子の連想であった。
眠い目をこすりながら全英女子オープンの最終日を
ご覧になった読者も少なからずおられるでしょう。

ここで第4ラウンドを回る、
彼女のポロシャツを思い出していただきたい。
ウェア契約を結ぶ、BEAMS GOLF の可愛いヤツ。
優勝後、即完売して品切れ状態が続いていたが
優勝モデルと銘打って9日から予約を受付けたというから
今頃は日本全国津々浦々、
あのシャツをまとった女子が闊歩していることだろう。

と思いきや、周りであんまり見掛けないネ。
そりゃそうだ、買ったはいいけど、
気恥ずかしくてあれじゃ町を歩けないヨ。
それでもゴルフ場ではみんな着てるんかいな?

「大弘軒」のチャーハンはあのポロシャツに似ていた。
ただし、ポロのベースはホワイト。
チャーハンは黄みがかったオフホワイト。
やはりちょいと無理があるかもネ。
むしろサンプルケースにあった、
五目そばの色合いが近いかもしれない。
よしっ、チャーハンが美味かったら次回は五目そばだ。

見た目よけりゃ、立ち上る香りまたよし。
昭和中華そのものの懐かしさ。
チャーハンにケモノ臭なくスープにブシボシ臭なし。
まずスープを味わうと、いや、旨いなァ。
しょうが&ねぎの風味が立ち、
コクがあるのに、あと味爽やか。
控えめな化学の子を感じるものの、
それもまたノスタルジーを呼び起こす。

チャーハンはその上をいった。
パラパラとシットリのいいとこ取りだ。
適度な油っ気があっても皿に油滴を残さない。
ほどよい塩気と味付けよろしく、
こんなチャーハン、ここ10年は食ってないゾ。
もっとも普段はあまり口にしないチャーハンだけどネ。

いやはや、感服いたしました。
大勢で押しかけ、アレも食いたいコレも食いたい心境なれど、
当地は都(みやこ)に名立たるラブホ街。
妙齢のご婦人をお誘いして、妙な誤解をされても困る。
ここは土地柄を逆手に取り、フルーツ宅配便の発注かァ!
ホテル代わりに町中華の待合せもまた善き哉。
でも恥ずかしながら、あっちの道は不得意分野なんだ。
となりゃ、独りでせっせと通うしかないじゃないの。
まっ、成果は後日また、ご報告いたしましょう。

「丸鶴」のオヤジさんには申しわけないが
暑い辺境の苦界を抜けると、ここは楽園だった。

「大弘軒(たいこうけん)」
 東京都台東区根岸1-7-11
 03-3875-6493