2019年9月3日火曜日

第2211話 その日の午後は麺ばかり (その2)

JR中央線・阿佐ヶ谷駅南口のアーケード商店街、
パールセンターにある「らぁ麺 いしばし」をあとにして
駅周辺の繁華街を徘徊。
隣り駅の高円寺、荻窪に比べてずいぶんご無沙汰感がある。

夜の目的地は中野駅南口の「AZAMI」。
老若を問わず、女性に絶大な人気を誇る喫茶&レストランだ。
彼女たちの目当てはプリンをはじめとするスイーツ類と
立体盛りが特徴的なナポリタンだという。

前日、予約こそしないが営業確認の電話の際、
17時過ぎにうかがう旨は伝えた。
ラーメンのあと、2時間で夕食となるわけで
言わんこっちゃない、出遅れは災いの元なのだ。

早めに中野に移動した。
まずは北口。
まだ暖簾の出ていない飲み屋街やブロードウェイをぶらぶら。
ノドが渇いてきたというよりノドが琥珀の液体を欲している。
こういうときホント困るんだヨ、この国は!
まっ、トイレ探しに難渋する欧米よりマシだ、
という声もあるけどネ、特に女性の間には―。

芋の子を洗うようなサンロードに
「日高屋」も「富士そば」もあるにはあった。
ところが、ここは飲食業にとって中野の一等地。
当然、家賃が高いから店はみな狭い。
どうもビールだけってのは頼みにくいんだよネ。
訊けば、今や中野北口の目抜き通り沿い路面店の賃料は
青山・六本木並みなんだそうだ。
怖ろしや!

一計を案じて南口のレンガ坂に向かう。
しかし、いずこも開店間際で少々早かった。
なかなか見つからず、渇いたノドがあおりにあおる。
何とか探し当てたのが「Vivo Daily Stand」なる、
バーだかカフェだか、よく判らん店。

帰宅後、調べたら東京に20店舗以上あるワインバーとのこと。
へえ~、ちっとも知らんかったヨ
しかもこの中野店が本店なんだと!
さすがJ.C.、持ってるなァ。

もうこの頃にはガス欠寸前。
深く考えもせず、カウンターに滑り込んだ。
若い男女のツーオペ店の生ビールはサッポロ黒ラベル。
いいでしょう、いいでしょう、さっそくいただきましょう。

「いっぱいいっぱい容れなくていいから、泡抜いてくれる?」-
ホントにグラス八分目程度の泡完抜きが目の前に置かれた。
容量は250ccくらいだろうか。
深く息を吸って、吐いて、右手を伸ばすとクイ~ッ!
ハハ、楽勝で一気だネ。
「同じのもう1杯お願いっ」-
今度は一気じゃなくって三気に分けた。
滞空時間は10分弱、会計は千円ちょうど。
レンガ坂を下っていったら、けっこう店が開いてやがんの。
けっ!

=つづく=

「Vivo Daily Stand」
 東京都中野区中野3-35-6
 03-5888-5476