長谷川町子生誕100年とやらで
「サザエさん」特別号が書店に並んでいる。
その光景から頭をよぎったのは
サザエさん通りのある世田谷区・桜新町だ。
このご時世だけれど、例によって週末に遠征し、
サクッと食べたら、もっぱら散歩に傾注して
”長距離ウォーカーの孤独”をかみしめよう。
そう、思い立ったのである。
到着したら自粛休業なんて悲劇に見舞われぬよう、
事前に業の営・休を確かめるため、電話を入れた。
候補に挙がったのは2軒で
1軒目、町中華のオバさんは
「ええっと、土曜日はお店、開けないと思います」
「ですよねェ、それじゃまた」
2軒目、洋食店の女将さんはチョー元気。
「どちら様?」
「いや、単なる客ですが今週土曜は開けられます?」
「いえネ、それがアナタ、百合子さんがああ言ったでしょ。
だから開けられないのヨ、あっ、お電話どうもありがと。
だけどウチみたいな小さいとこでアレ出しちゃったら
もう、おしまいだもの、町中閉まってるのヨ。
夏までムリじゃないかしら?」
「ですよねェ、じゃ、落ち着いたらうかがいます」
「そう、そうしてちょうだい、待ってますからネ。
あっ、お電話わざわざありがとう、ありがとネ」
だって―。
速射砲にたたみかけられ、呆気にとられながら
ご本人に逢いたくなったのも事実。
夏になって落ち着いたら逢いに行くヨ。
すると、耳朶に荒木一郎の歌声が響き始めた。
♪ 淋しさに 一人書く置手紙
宛先はほろ苦い友達さ
横書きの白い地の便箋は
愛を記したときもある
BYE BYE まだ 夢のようさ
BYE BYE 君 ドアを閉めて
思い出の紫蘭の花
庭の隅に埋めたよ
BYE BYE 君 すぐに行くよ
BYE BYE BYE MY LOVE
君と同じとこへ
BYE BYE MY LOVE 夏になれば
君のいる処へ 君のいる処へ・・・ ♪
「君に捧げるほろ苦いブルース」が世に出たのは1975年末。
師走の東京の街には「シクラメンのかほり」が流れていた。
=つづく=
「サザエさん」特別号が書店に並んでいる。
その光景から頭をよぎったのは
サザエさん通りのある世田谷区・桜新町だ。
このご時世だけれど、例によって週末に遠征し、
サクッと食べたら、もっぱら散歩に傾注して
”長距離ウォーカーの孤独”をかみしめよう。
そう、思い立ったのである。
到着したら自粛休業なんて悲劇に見舞われぬよう、
事前に業の営・休を確かめるため、電話を入れた。
候補に挙がったのは2軒で
1軒目、町中華のオバさんは
「ええっと、土曜日はお店、開けないと思います」
「ですよねェ、それじゃまた」
2軒目、洋食店の女将さんはチョー元気。
「どちら様?」
「いや、単なる客ですが今週土曜は開けられます?」
「いえネ、それがアナタ、百合子さんがああ言ったでしょ。
だから開けられないのヨ、あっ、お電話どうもありがと。
だけどウチみたいな小さいとこでアレ出しちゃったら
もう、おしまいだもの、町中閉まってるのヨ。
夏までムリじゃないかしら?」
「ですよねェ、じゃ、落ち着いたらうかがいます」
「そう、そうしてちょうだい、待ってますからネ。
あっ、お電話わざわざありがとう、ありがとネ」
だって―。
速射砲にたたみかけられ、呆気にとられながら
ご本人に逢いたくなったのも事実。
夏になって落ち着いたら逢いに行くヨ。
すると、耳朶に荒木一郎の歌声が響き始めた。
♪ 淋しさに 一人書く置手紙
宛先はほろ苦い友達さ
横書きの白い地の便箋は
愛を記したときもある
BYE BYE まだ 夢のようさ
BYE BYE 君 ドアを閉めて
思い出の紫蘭の花
庭の隅に埋めたよ
BYE BYE 君 すぐに行くよ
BYE BYE BYE MY LOVE
君と同じとこへ
BYE BYE MY LOVE 夏になれば
君のいる処へ 君のいる処へ・・・ ♪
「君に捧げるほろ苦いブルース」が世に出たのは1975年末。
師走の東京の街には「シクラメンのかほり」が流れていた。
=つづく=