2020年5月1日金曜日

第2384話 一豚を追うものは一羽をも得たり (その2)

フーテンの寅さんに言わせれば、
 チャラチャラ流れる御茶ノ水、粋な姐ちゃん立ち小便!
てなことになる御茶ノ水は「とんかつ 濱かつ」。
券売機で2枚のチケットをポチッとやった。

生ビール大(760円)と濱かつランチ(790円)だ。
チェーン店で計1500円超えは
われながらかなりの上客じゃないかえ?
オメエが大ジョッキなんぞ飲むからだろがっ! ってか?
はい、仰せの通り。
とにかくこのご時世、ストレスとエナジーのはけ口は
もっぱらドリンク&ウォークなんざんす。

ビールは好みの銘柄でラッキー。
濱かつランチはロースカツとチキンカツの相盛りだ。
壁に貼られたお達しによると、ポークはすべてカナダ産
ご丁寧に州名がアルバータだの、サスカチュワンだの、
はては「赤毛のアン」の舞台となった、
プリンス・エドワード島までちゃあんと明記されている。
一方のチキンは国産、千葉もしくは静岡とのこと。
大手チェーンの傘下だけに
トレーサビリティがしっかりしとるネ。

あれっ、大ジョッキのワリにあまりデカくないじゃん。
多少の不満を引きずりながら傾けるうち、お膳が着卓。
ロース、チキンともに小ぶりで油切りの小網が敷いてある。
繊切りキャベツはたっぷり。
赤だし風の味噌椀にわかめがちょっぴり。
高菜と大根をもみ込んだ漬物。
軽めのごはんは宮城産ひとめぼれ。 

破格のサービスが
ごはん・味噌汁・キャベツ・漬物のお替わり自由。
御茶ノ水は都内有数の学生街。
此度のコロナのせいで
バイト先から締め出された学生も少なくないハズだ。

最安メニュー、濱かつランチのカツは小さくとも
脇役が食べ放題、これなら1日1食でもしのげるゾ。
アホ晋が税金の無駄遣いで配る、
不衛生なマスクよりマッチベターだ。
もっともあの愚策は瀕死の日本郵政に施す、
内輪の損失補てんじゃないのか―。
郵送料がマスク代を超えてるぜ、けっ!

お店の指導は擂り鉢で白ごまを擂ったところに
ソースをブレンドせよとのこと。
ソースは2種類あって、とんかつ&秘伝。
秘伝というのは中濃だった。
キャベツ用のドレッシングも2種完備。
黒酢入りのフレンチ風と醤油ベースの和風だ。

大ジョッキ(?)飲んだし、お替わりナシでも満腹。
とんかつ食べに入ったらチキンかつまでついてきて
まさに一豚を追う者は一羽をも得たり。
値段なりに美味しくいただき、階段をエッチラ上ると、
建物の1階が「リンガーハット」だった。
何のこたあない、子亀の背中に親亀が乗ってたヨ。
と思いきや、調べたら「リンガーハット」の原点は
昭和37年創業の「濱かつ」だったのでした。

「とんかつ 濱かつ」
 東京都千代田区神田駿河台2-6
 03-5282-3372