2020年8月11日火曜日

第2456話 これ、東華軒、お主もなかなかの・・・

国府津駅前の「東華軒」で購入した、
炙り金目と小鰺の押寿司は辻堂から帰った夜遅く、
緑茶は淹れず、ビールを抜いて味わった。
素晴らしくはなくともなかなかである。

有名な大船の「大船軒」よりマッチベター。
あちらはすでにJR東日本の傘下に入ってしまった。
”鉄道(アシ)”と”駅弁(アゴ)”が癒着すると、
利用者にとってロクなことはない。

金目と小鰺は食べ切れないので
残りを翌日に回したが
こういう弁当、もとい、芸当が出来るのも酢めしさまさま。

国府津発祥「東華軒」のロングセラーは鯛めしである。
ごはんの上に鯛のおぼろ(でんぶ)を敷き詰めたものだが
お婆ちゃんと孫たちの食べものみたいで
大の男の食指はまったく動かない。

ところが、あれはいつだったろう?
上野駅中央改札前の「THE GRDEN」でミニサイズを発見。
酔った勢いを借りて買ったことがあった。
コレクションというのでもないが家で食べた駅弁の掛け紙は
どこかの抽斗(ひきだし)に放り込んであるハズ。
探してみたら、あった、あった

ミニ駅弁 鯛めし(440円)の原材料をチェックすると
おぼろ
(オキサワラ、クロカジキ、アブラガレイ、砂糖、マダイ)
いろんなサカナを使ってるんだねェ。

オキサワラとクロカジキは大型の肉食魚。
クロカジキなんざ、カツオも捕食するらしい。
先日、紹介したアブラガレイまで名を連ねている。
「東華軒」きってのユニーク駅弁はアブラボウズ伝説だから
カレイとボウズのアブラ・ブラザースを使い分けていやがる。
たいしたもんだヨ、蛙のしょんべん。

気になったのは原料のサカナ3種が続き、
砂糖をはさんで本命のマダイが表記されていること。
おそらく原価の高い真鯛の含有率が低いものと思われる。
これ、東華軒、お主もなかなかのワルよのぉ。

数日前、上野の「THE GARDEN」に立ち寄った。
ミニ鯛めしは健在だったが、脇の釜飯に目が留まる。
その名も天城峠の釜飯ときたもんだ。
耳朶には三浦洸一の「踊子」が鳴り始めた。

♪   天城峠で 会(お)うた日は
  絵のように あでやかな  ♪

でも、ほとんどの読者が連想するのは
群馬県は横川の「おぎのや」による峠の釜めしであろうヨ。

ものは試しと買ってみたら本家にクリソツ。
違いは杏子(あんず)の不在と
わさび味噌がわさび漬けに取って変わったくらい。
まあ、悪知恵というよりギャグの一種と捉えておくか―。
フッフッフ、これ、東華軒、
お主もなかなかのひょうきん者よのぉ。

「東華軒 国府津店」
 神奈川県小田原市国府津4-2
 0465-47-5286

「THE GARDEN 上野店」
 東京都台東区上野7-1-1
 03-5826-5843