この日は日本橋茅場町へ。
根拠なき株高を生み出している兜町の隣りだ。
漠然と、はるか昔に往時のFRB議長、
A.グリーンスパンがもらした提言、
“イレイショナル・イグズーベランス”を思い出す。
市場に警鐘を鳴らした“根拠なき熱狂”を―。
それはそれとして、今日は焼き鳥丼を食べよう。
そう思って出没した茅場町だが
狙いは「鳥徳」、「宮川(みやがわ)」のどちらか。
ありゃあ!「鳥徳」の二階建てが影も形もない。
仕舞屋風の建物が忽然と消えてしまった。
3ヶ月ほど前に店先を通ったときは
テイクアウト限定とはいえ、営業は続けていた。
それがただ今、建て替え工事中。
近くで弁当販売の仮営業はしていた。
「やき鳥
宮川」の前には順番待ちが3人。
13時でこの程度なら少ないほうだ。
5分と待たず、すぐ前に並んでいたアンちゃんと
同じテーブルにはす向かいの相席で案内された。
彼の注文はから揚げ定食(950円)。
当方はやきとり丼(900円)。
ほうじ茶と鳥スープがすぐに運ばれる。
ふ~ん、から揚げねェ、此処は焼き鳥屋なんだぜ。
昨今の若い衆はみんな、から揚げが大好きだからなァ。
まっ、若気の至りってところだろうヨ。
なあんて、上から目線のJ.C.、
すぐさま市場(?)のしっぺ返しを食らうことになる。
何となれば、周囲のほぼ全員がから揚げ定食なのである。
(何なんだヨ、オメエたちゃ正気かえ?)
心の内で叫ぶものの、彼らは正気であった。
勝手にやきとり丼が一番と思い込んでた、
自分の愚かさはすぐに証明された。
「宮川」のランチメニューは限定的だ。
われわれの2品のほかは
手羽先定食(900円)
かしわ丼(ねぎま3本)
もつ丼(レバ2本・砂肝1本)
あとは単品の串が
レバ・砂肝・かしわ・手羽先(各220円)。
ちなみにJ.C.の通したやきとり丼は
手羽先以外の3本のミックス。
同時に頼んだのに、から揚げは5分で着卓。
ずいぶん色白なのが7~8個はありそうだ。
脇には大量のきざみねぎと
とんすい(呑水)に入ったつゆ。
とんすいはポン酢(ちり酢)や天つゆを入れる小鉢で
一箇所がチョコンと突き出たヤツと言えば
お判りいただけるだろう。
から揚げに遅れることアナザー5分。
ようやく我がやきとり丼が目の前に舞い降りた。
=つづく=