2021年9月8日水曜日

第2737話 香港の 自由死すとも 麺死せず

おかげで冷たいビールが飲めました。

多少水っぽくなろうと、あくまでも冷え優先。

ぬるいビールほど不味いものはない。

えり足ともみ上げがスッキリしたところで、

かむろ坂下からバスに乗った。

 

首都高と中央環状線を結ぶジャンクションが

一躍有名となった大橋にて下車。

目黒川沿いに玉川通り(国道246号)へ出て

三宿の手前の「香港麺 新記」へ。

19年ぶりの来店だ。

 

今世紀初頭、GFが近くに居たため、

週末のブランチにちょくちょく三宿へ出向いた。

三軒茶屋、自由ヶ丘より三宿が多かった。

数軒隣りのユニークなカレーショップ、

「ビストロ喜楽亭」またしかり。

駅から離れており、漂うノンビリ感が好もしかった。

 

2階の窓際だが窓に背を向けるシートに着き、

昔と同じ醤油王炒麺(醤油焼きそば900円)を通す。

中国醤油で味付けしただけのシンプルな香港麺は

極細にして強烈なコシ、この歯応えを楽しむ。

具材は豚肉細切り、もやし、ニラのみ。

ヨソにはない一皿となっている。

 

東洋の真珠と呼ばれる香港の自由は

すでに東京の医療同様、完全崩壊。

プーさんの目の黒いうちに息を吹き返すことはあるまい。

ところがどっこい香港死すとも香港麺は生きていた。

 

デカい声で厨房としゃべる外来のアンちゃんに

すげなくビールをダメ出しされ、

脇のチキンスープをさびしくすする。

スープの味はよくても味気ないとはコレいかに―。

失意のまま階段を降り、来た246号を戻った。

 

メトロ田園都市線・池尻大橋駅を過ぎ、

旧山手通りを左折して神泉町。

目指すは道玄坂のまたもや「ほていちゃん」。

さすがに夕闇迫る渋谷だから

他に飲ませる店は多々あった。

 

だけど、毎度のことで胃袋が受けつけてくれない。

液体OKでも固体NGのマイ・ストマック。

その点「ほてい」はチョッピリ・マミツの充実が

逃げ場を用意してくれ、実にありがたい。

 

赤星大瓶と数の子わさび漬けをお願い。

小皿なら満腹時でも問題ナシだ。

距離を歩いたので即、大瓶はカラとなり、

花月レモンサワーにスイッチした。

そう、ほてい1号店の新小岩で

スリランカのMンディさんが出してくれたヤツ。

 

外1・中2をサクッと飲り、会計は1140円。

東京にもやっとNYのバー、LDのパブ並みの

手軽で気楽な立ち飲み酒場が根付きつつある。

この手の店が増え続けることを祈る。

 

「香港麺 新記 三宿本店」

 東京都世田谷区池尻3-30-10山旺ビル2F

 03-3419-4123