めったに来ない田園調布。
せっかくだから駅西口の3丁目へ。
放射線状の閑静な住宅街のど真ん中、
いちょう並木を真っ直ぐに上って行った。
そう、此処は坂道なのだ。
日活映画「陽のあたる坂道」(1958)では
裕次郎と北原三枝が歩いている。
石坂洋次郎の原作は目黒区・緑ヶ丘を舞台とするが
やはり田園調布はスクリーンに映える。
6年後、同じ日活の「帰郷」では
高橋英樹と吉永小百合が歩いた。
メインストリートを上り切って
ちょいとばかり場違いな建物に突き当たった。
円柱状の造りは何かの研究所、今どきならさしづめ、
covid-19 を研究してそうな感じだが
実際はT杉サンの私宅だった。
庭にひともと百日紅(さるすべり)。
花弁の紅が萌えていた。
それにしても陽射しが強い。
普段なら多摩川台公園辺りまで歩く。
だけど今日は美容室、汗だくはマズいヨ。
駅の反対側に回った。
ミスター・ジャイアンツ御用達の焼き鳥屋が
暖簾を掲げていた。
焼き鳥丼か親子丼を出しているかと思いきや、
唐揚げのテイクアウト。
同じ大田区でも田園調布と穴守稲荷では
ずいぶん家賃の差があるだろうに
一律の給付金じゃシンドいわな。
東側の2丁目はグッと庶民的だ。
メインの商店街は下り坂になっている。
ひとしきりぶらついて目黒線の電車に乗り込んだ。
不動前の一つ手前、武蔵小山で下車する。
時間調整しつつ、かむろ坂を下っていった。
花見シーズンとなったら
都内屈指の美しさを誇る桜並木だ。
いつものように美容室隣りのスーパーで
ロング缶を調達した。
手にしたときにイヤ~な感じがしたが
やっぱり相当ぬるいんでやんの。
K子チャンが氷を用意してくれた。
すると驚くなかれ、ロックアイスと来たもんだ。
居酒屋やスナックですら
製氷機のキューブアイスを出してくるのに
ホントにアンタはエラいっ!
J.C.の見込んだ美容師だけのことはありました。