昼と夜の長さがイコールの祝日。
ヘンなところへ出かけたら“昼下がり難民”になる。
安心なのは、エンコ、ノガミ、ザギンのトリオだ。
よしっ、今日は銀座にしよう。
メトロ千代田線・日比谷駅の改札を
出ようとして気が変わった。
旗日に築地場外はどんな塩梅だろうか?
ちょっくらパトロールしとこうか―。
日比谷線に乗り換えて築地下車。
本願寺の参拝客は三々五々だった。
市場にインバウンドは皆無ながら予想以上の人出。
開いているのは寿司屋、海鮮丼屋ばかりだ。
初競りで一世を風靡した、
「すしざんまい本店」は10人ほどの行列。
「廻る
すしざんまい」もほぼ満席。
「寿司清」にも短い列があった。
一応、狙いをつけておいた天ぷら「黒川」と
焼き鳥丼「ととや」はともに暖簾が出ていない。
江戸前仕事との出会い少ない築地で
鮨を食う習慣のない身ゆえ、晴海通りを西下する。
4丁目(旧尾張町)交差点の手前、
「竹葉亭」の前で足が止まった。
まぐろ茶漬けを食べたのはGWだった。
今日は鯛茶でいこうか―。
いや、鰻屋で茶漬けばっかりってのもねェ。
交差点を渡り、数寄屋橋公園を過ぎると
もう腹は決まっていた。
天ぷらも焼き鳥も欲しくない。
ひたすら慕い焦がれるのは生ビール。
銀座のクラブに乗り込む前に立ち寄って
ちょうどひと月になる「きたぎん!」。
あそこは年中無休、しかも土日祝は通し営業のハズ。
お~おっと、大盛況じゃないか―。
酒類規制? そんなの関係ねェ! ってか?
大箱にひしめく客は50人を下るまい。
一段上がった奥のスペースは線路の直下。
四人掛けを占有した途端、頭上でゴ、ゴ、ゴー!
郷ひろみのナンバーではなく、
ザ・スパイダーズの「風が泣いている」がよぎったけど
浪花の小姑が五月蠅いのでやめとく。
現に前話の青江三奈は知っとるが
「池袋の夜」は知らんと、イチャモンをつけてきた。
黒ラベルの樽生中(299円)が届く前に
お通し(400円)のひとくちネギトロいくらごはんが
サーヴされたので
巻き簾できっちり巻かれていたが涙は出ない。
山わさび自体が雀の涙ほどだから涙巻きなんかい?
即、ジョッキのお替わりと厚岸産生がき(420円)を―。
これは好みではない岩がきだった、残念。
さらにお替わりしてラムヒレたたき(680円)。
結局、樽生を4杯いただき、会計は3126円也。
満足の滞空時間は1時間と20分でした。
「きたぎん!」
東京都千代田区有楽町2-1-7
03-6205-8887