この日のランチは池袋に拠点を置く、
パン・洋菓子と洋食の「タカセ 下板橋店」。
最寄りは東武東上線・下板橋ながら
使い勝手のよい都営三田線・新板橋から歩いた。
子どもの頃、池袋本店での食事がうれしかった。
それが大人になったら
あれっ、こんなモンだったっけ?
舌が肥えたのか味がオチたのか、よう判らん。
本店、巣鴨店は利用したが
未訪の板橋店に行ってみたかった。
常々、前を通るたびに
いい雰囲気だなと思っていた。
13時ちょうどに到着すると、
並んでいたのは男女3人組。
10分ほど待ち、窓際の四人掛けに案内された。
ガラス越しに向いのキッチン オリジンが見える。
大きな垂れ幕にカキフライの文字。
そうか、いよいよカキのシーズン到来か―。
標識により、この道筋が下板橋通りと知った。
家を出る前から
タカセ弁当(ドリンク付き¥920)に決めていた。
メニュー中、唯一のタイトルロールだからネ。
四つに仕切られた弁当の内容は
右上、海老とサーモンのフライ、繊切りキャベツ。
右下、ウインナーと豚肉生姜焼き。
左上、おざなりでないミニ・コンビサラダ。
左下、ゴマを振った日の丸ごはん。
縦横の仕切りの交差点に
小さなサークルがあり、そこに山菜水煮。
あとは、わかめの味噌椀。
総じてあまり美味しくない。
殊にイケナかったのは生姜焼きだ。
甘辛く濃い味付けに肉質も悪く、
ガリッときたのは混入した骨片だった。
フライもイマイチだし、
香の物代わりのつもりだろうが
出来合いの山菜はまったくのセンスレス。
老舗らしからぬ不出来というほかはない。
食後のアイスレモンティーを飲みながら
身の振り方を思案する。
① 中山道沿いに仲宿
② 北池袋を経て池袋
この二択だが迷うことはないやネ。
おいしい水が待っているのは間違いなく②番。
アントニオ・カルロス・ジョビンの
「おいしい水」ではなく、
彼へのオマージュ、マイケル・フランクスの
「アントニオズ・ソング」をハミングしながら
さして長くもない下板橋の商店街を往きました。
あっ、これ、名曲です。
ボサノヴァ好きでなくとも完オチします。
ぜひとも聴いてみてください。
「タカセ 下板橋店」
東京都板橋区板橋1-37-10
03-3962-7301