以前は池袋北口と呼ばれた一画。
現在は西口の片隅という位置づけらしい。
焼きとん「三福」のカウンターに独り。
先刻から気になっていたのは
座る椅子と背後の壁との間が狭いため、
お運びさんがうしろを通るたびに
腰だか尻だか背中をつつくんだ。
まだ空いてて、さほど頻繁じゃないがネ。
しかし、16時を回ると客足が伸び出した。
同時に小姐がもう一人出勤してきた。
彼女たちの会話も往き来も盛んになる。
それはそうと、モツ焼きを前にしながら
コチを追注してしまった。
これにて売切れにつき、正解だったんだが
コチ刺しやモツもあるのに無分別
芭蕉のあの一句、“河豚と鯛”が頭をよぎる。
串を食べ終わらぬうちにコチ参上。
ここで2本目のビールとデンキブランを―。
コチは薄目に引かれ、薄造りと刺身の間くらい。
紅葉おろし・青小ねぎ・紅たでの薬味
これをポン酢でいただくが
生醤油&似非わさびよりずっといい。
カウンターはほぼ満席となり、
右隣りのオジさんが寄席のパンフレット、
左のニイさんは文庫本を晩酌の友としている。
おっと、アブナいなァ、また背中にぶつかった。
手にしたデンキがこぼれそうだヨ。
かまびすしい中国語もさることながら
つつかれたり、こすられたりするのが煩わしい。
あやっ、艶めかしい歌声が聴こえ始めた。
耳を澄ませば・・・山本リンダじゃないか―。
♪ こまっチャイナ 背中をつつかれて
どうしよう まだまだつつくかしら
こそばいような 痛いような
トキドキ当たる あなたの腰 ♪
最近は姿を見せないリンダだが
台東区・御徒町に棲んでるらしい。
J.C.のホームグラウンドなのに
出逢うどころか、見かけたことすらない。
ありゃりゃ、再びリンダの声が・・・
♪ うわさを信じちゃ いけないよ ♪
だよねェ、そうでしょうとも。
「三福」
東京都豊島区西池袋1-27-1
03-3971-1773