2022年4月13日水曜日

第2992話 餃子とビールは寸暇です (その1)

池袋から乗った東武東上線を大山で降りた。

ブランチが遅かったため、

空腹感はなく、早めの晩酌とまいりたい。

板橋区きっての商店街、

ハッピーロードのアーケードを流すも

これといった店が見つからない。

 

突き抜けて川越街道。

今度は下頭橋通りを往く。

途中、母校の弥生小に立ち寄り、

校門そばの以前棲んだ家を訪れるも

とっくの昔に建て替わっている。

 

此処は弥生町、ふと思って町めぐり。

中学時代のGF、高校時代のGF、

彼女らの住まいも同じ弥生町だ。

行ってはみたものの、

本人たちはとうに嫁いでゆき、

今では孫のいる婆ちゃんだろうがネ。

 

しかしハハハ、さして広くもない、

いや、むしろ狭い町内で

小さな恋のメロディーを奏でていたんだ。

何だか懐かしいやら可笑しいやら・・・。

わが青春の一コマでした。

 

下頭橋で石神井川を渡り、

母校・上板一中の脇を抜けて、ときわ台。

板橋区の田園調布である。

 

目当ての「キッチンときわ」にやって来るも

五時まで休憩中の貼り紙。

まだ20分もあるヨ。

界隈をブラブラすれば済むことなれど、

道を挟んだ向かいに「ぎょうざの満洲」があった。

 

都内のあちこちでよく見るチェーン店だが

利用したことは一度もない。

そうだ、餃子でビールといこうじゃないか―。

たった20分の寸暇を惜しむ気になった。

 

“餃子とビールは文化です”

同じチェーン「肉汁餃子のダンダダン」の

キャッチコピーだが今日のJ.C.は

“餃子とビールは寸暇です”。

 

飛び込む前に店頭のメニューを

つぶさに観察し始めた。

 

=つづく=