この日も銀座。
高速下の角打ち酒屋はいっぱいで入れず、
一丁目の「三州屋銀座店」に変更した。
二丁目に本店があり、そちらは昨秋二度訪れた。
おや? ロス・プリモスのメインヴォーカル、
森聖二の歌声が流れてきたゾ。
♪ ふたりだけのところを
だれかにみられ
うわさの花が 咲く銀座
一丁目の柳が ためいきついて
二丁目の柳が ささやいた
あなたの愛が 目をさます
銀座...銀座... たそがれの銀座 ♪
(作詞:古木花江)
「たそがれの銀座」は1968年5月のリリース。
J.C.はこの年、銀座に通い始めた。
狙いは、みゆき通りに在った、
メンズ・ファッションのJUN。
あの頃は飯や酒より服だったのだ。
それはそれとして「三州屋」。
腰を落ち着け、黒ラベルを発注。
そうしておいて壁の品書きを遠望する。
お通しは真鯛の南蛮漬け。
長ねぎがたっぷり入り、
これぞまことの南蛮漬けである。
どういうことかというと
例えば、鴨南蛮やカレー南蛮の南蛮は
長ねぎを指すからだ。
唐辛子の意味もあり、別名が南蛮辛子。
チキン南蛮の名称の由来も揚げたチキンを
南蛮酢(唐辛子入り酢)にくぐらせるため。
ちなみに発祥の地、宮崎県・延岡市では
タルタルソースを添えようが添えまいが
れっきとしたチキン南蛮とみなされる。
真鯛の南蛮漬けで大瓶1本は
ラクに飲めるが、そうもいかない。
来れば頼むのカニサラダを所望したら
何と売切れ。
っていうか、ずっと高値が続くカニは
ハナから仕入れていないな。
しからば、皮はぎ刺しをお願い。
すると今度は正真正銘の売切れ。
2球続けて空振った。
バットに球がまったく当たらん。
あんだよぉ!
この店は佐々木朗希かよぉ!
=つづく=