2022年4月12日火曜日

第2991話 そば屋の煮込みと中華そば

上野動物園・池之端門のすぐ近くに

幾たびお世話になったか

計り知れない日本そば屋さんがある。

最寄りはメトロ千代田線・根津駅。

以前、この町の住人だった頃は

ほぼ毎週、晩酌を楽しませてもらった。

 

「新ふじ」は今でも

根津のマイ・ブレイクルーム。

よって当欄でもたびたび紹介している。

往時は夕方の開店と同時に暖簾をくぐった。

ドライの大瓶に柿ピーが付いて来る。

つまみは毎度、もつ煮込み。

菊正の一合瓶に移行し、締めはもりorかけで

たまにはおかめそばor中華そばに走ることも―。

 

まん延防止令下ではアルコールを自粛したため、

足が遠のいていたが久しぶりに昼酌で訪問。

おやっ、バイトの新人がハキハキと明るいねェ。

これは好い娘が入ったなァ。

 

いつものように大瓶と煮込みを―。

つゆが熱いうちに刻みねぎを沈めて

生ッ気を抜いてやる。

七色を振りかけてパクッ、相変わらず旨いや。

 

此処のもつ煮は何度食べても飽きがこない。

豚の白もつのみ使用の味噌仕立ては

信州味噌と八丁味噌の合わせらしいが

定かではない。

こういうのって訊きにくいものなんだ。

 

この日は菊正ではなく大関を常温でお願い。

こちらのほうが、やや甘口。

そうしておいて中華そばを所望する。

日本そば屋の中華そばは当たりが多い。

昔ながらの味と匂いとルックス。

どの店もアッサリ系で

間違ってもギトギトコッテリはない。

 

女将さんが中華そばを運んでくれた。

丁寧な言葉遣いに笑顔を忘れぬ気働き。

つかず離れずの接客ぶりが実に好もしく、

J.C.はこの方のファンである。

 

どんぶりを彩るのは、ももチャーシュー・

シナチク・ナルト・焼き海苔・わかめ。

細打ちちぢれ麺&純和風スープの名コンビに

白胡椒を振って素朴な美味しさ。

 

つまみ類がもうちょい充実すると鬼に金棒だが

それでは入り浸ってしまうから

このくらいがちょうどいいんだ。

日本そば屋で居酒屋&町中華の一石二鳥。

いやはや、たまりませんな。

 

「新ふじ」

 東京都台東区池之端2-8-4

 03-3821-3913