2024年4月11日木曜日

第3512話 山田太一と木下恵介 (その1) 

今月(3/23~4/19)の神保町シアターは
標題通り「山田太一と木下恵介」。
けれどあまり惹かれることもなく、
鑑賞は12本中2本にとどまった。

1本目は武者小路実篤の「友情」と
「愛と死」を原作にした「愛と死」(1971)。
脚本が山田太一、制作は松竹大船だ。

この原作は日活映画、
「世界を賭ける恋」(1959)でも採用された。
あちらは裕次郎&ルリ子で監督は滝沢英輔
こちらは新克利&栗原小巻で監督は中村登。

まず、いつものようにチケットをゲットしたら
近所で腹ごしらえだが、この日はあいにくの雨。
シアターのはす向かいのカフェ・レストラン、
「グランタイム」に初めて入った。

正午過ぎで7割の入り、天気のせいかな?
4席しかない窓辺のカウンターに陣を取り、
シアター入口を眺めながらの食事。
ランチビールは一番搾りの生だけど、
仕方なくお願い。

本日のパスタはスパゲッティで
小海老・アスパラ・リコッタのトマトクリーム。
これが意想外に美味しかった。
初めに出たフジッリ入りサラダと
野菜コンソメもおざなりではなく好かった。
生をお替わりして会計は1600円也。

界隈をぶらぶらし、シアターへ。
武者小路の小説2作をまとめ上げ、
山田がシナリオにした労作は正直言って
さほどのデキと思えない。
「世界を賭ける恋」のほうがいいネ。

裕次郎と新克利の差と言ったら
克利が可哀想だけど
男が女の元を離れて行く先が
欧州と奥州ではあまりに違い過ぎる。

監督の中村登は特異な人で
1950年以降はほとんど文芸路線専門。
大佛次郎・山本有三・永井荷風・
志賀直哉・井伏鱒二・舟橋聖一・
三島由紀夫・吉屋信子などなど。
何の因果か知らんが、ちとやり過ぎだろう。

ちなみにJ.C.が一番好きなのは
松本清張原作の「波の塔」。
ヒロイン・有馬稲子に
心を奪われちまいやした。

=つづく=