2023年10月10日火曜日

第3380話 噂聞きつけ高島平

東京都の北の果て板橋区。
そのまたはずれ高島平。
餃子・ラーメン・炒飯が
旨い店があると聞き及んで遠征。

いくらなんでも3つは食えないから
何とか2つクリアしてやろう。
降り立ったのは都営三田線、終点の西高島平から
2つ手前の高島平駅である。

改札を出たときに
スマホを忘れて来たことに気づいた。
店名の「天宝」は覚えているが住所はうろ覚え。
確か、高島平9丁目だったような・・・。

駅周辺は8丁目で
方角的に北東だったような・・・。
ところが、この8丁目がだだっ広い。
どこまで行っても8丁目から抜け出せないんだ。

とうとう新河岸川に架かる徳丸橋に来ちゃった。
すると向こうから若いお巡りさんが渡って来る。
渡りに舟ならぬ、渡りにお巡りとばかり呼び止めた。
親切な彼は自分のスマホで検索してくれる。
「8丁目は何でこんなに広いんですかネ?」
「そうですよネ、われわれも迷いますから」
指し示してくれた方向に向かい、歩き始めた。

そうして到着した「天宝」。
3日前に大島で餃子を食べたばかりなのに
餃子とラーメンのBセットをお願いする。
炒飯はあきらめた。

5カンの餃子は3日前と似たタイプ。
けれども焦げ目がつき過ぎて歯を跳ね返す。
う~ん、及ばないなァ。

そこを補うようにラーメンがなかなか。
中太ちぢれ麺に穏やかな醤油スープ。
細麺派の気にも染まった。

もも肉チャーシュー・シナチク・ナルトに
わかめだけが残念ながら
それでもシャッキリとした食感が好い。
わざわざ北のはずれまで
出張るほどではないにせよ、
後悔の念が湧くこともなかった。

隣りの席に子連れ夫婦。
料理の注文を終えたあとで
就学前と思しき男の子のためにラムネを発注、
へえ~、普通はコカコーラかバヤリースだろ?
板橋のガキンチョはラムネと来たもんだ。
小童(こわっぱ)、やるじゃないかい。

「天宝」
 東京都板橋区高島平9-20-13
  03-3937-8744

2023年10月9日月曜日

第3379話 大島に 東京一の 餃子あり

最近は若い頃ほど餃子を食べなくなった。
嫌いになったわけじゃないが、なぜかこうなった。
餃子ライスなんて、もう何年も口にしていない。
餃子ビールにすっかりとって替わられた感がある。

そうだ、今日は餃子でビールを飲もう。
そう思って向かったのは江東区・大島(おおじま)。
都内で一番好きな餃子が「亀戸餃子 大島店」にある。
二番目は北区・飛鳥山の「豫園飯店」だ。

亀戸の本店以外に錦糸町・両国・大島と
支店が3軒ある「亀戸餃子」だが
なぜか大島店が断のトツ。
すべて同じ製造所で作られるのに
その違いは焼き方によって生ずる。

ドライの大瓶と餃子を1枚(5カン)通した。
うん、やはり旨いなァ。
片面カッチリ、ヒダのある反対側はシットリ。
小ぶりなのも気に染まる。

今日は野菜の補給も兼ねていた、
レバニラ炒めは食べているが
初めての野菜炒めをお願い。

レバニラと肉ニラ炒めはともに750円だが
レバや肉の表記がない、
単なる野菜炒めは700円。
本当に野菜だけなのかな?
それならそれでもいいや、
野菜不足の解消が目的だからネ、

すると・・・豚の小間切れがタップリ。
野菜の陣容は
キャベツ・白菜・にんじん・もやし・
玉ねぎに加えてキクラゲ。

そこにどういうわけか竹の子が1片。
これは何かの間違いだろう。
調理の弾みで紛れ込んだに相違ない。

ずいぶんボリュームがあった。
ライスなしでも満腹だ。
丸二日分の野菜を摂取した気分である。

ビールは1本にとどめておいて
さて、どうしよう。
大島の駅に立ち戻って考えた。
本八幡行きでも笹塚行きでも
先に来た方に乗ってやろう。

結果、本八幡行きの乗客にー。
終点まで行き、大型スーパー、
「カスミ フードスクエア」で
晩酌のつまみを調達し、帰るとしましょう。

「亀戸餃子 大島店」
 東京都江東区大島4-8-9
 03-5628-0871

2023年10月6日金曜日

第3378話 カーボベルデの豆責め

住まいに至近の「サクラカフェ」。
先日、カーボベルデの国民食、
マサ・デ・ガリーニャを紹介した。

以来、ボルシチやカオマンガイのお世話になったが
もう1品、カーボベルデの料理があるんだ。
今回はそれを試してみた。
名前はカーボベルデ・サラダと味も素っ気もない。

スタッフに内容を訊ねたら
「豆が主体です」と返事まで素っ気ないんでやんの。
ここは乗りかかった舟。
豆はあまり好きではないが
子どもの頃よりはいくぶん食べるようになった。

豆好きとなれば、思い浮かぶのは2人。
最初に刑事コロンボ。
彼の大好物チリコンカンは
代表的なメキシコ及びテクス・メクス料理だ。

そしてわが亡父。
軍隊に行ってるせいか、
豆や芋の炊き込みめしが好きだった。
母親は好まず、子どもたちに至っては大嫌い。
そりゃそうだヨ、
3人とも兵隊に行ったことがないからネ。

カールスバーグの小瓶とともに味わう。
白豆がツナ缶と和えてあり、
ディル&アーリーレッドが少々。
豆の量がとてつもなく多く、
食っても食っても減りゃしない。

人生でこんなに豆を食うのは初めてだ。
すさまじい豆責めである。
傍から見りゃあ、豆鉄砲を食らった、
鳩みたいな顔をしていたに違いない。

父親の十八番「麦と兵隊」、
その最終4番が聞こえてきた。
”麦”を”豆”に置き換えてお聴かせしましょう。

♪ 往けど進めど 豆また豆の
  波の高さよ 夜の寒さ
  声を殺して 黙々と
  影を落として 粛々と
  兵は徐州へ 前線へ  ♪
  (作詞:藤田まさと)

天皇陛下万歳!
ってか?

「サクラカフェ」
 東京都文京区千駄木3-43-15
 03-5685-1200

2023年10月5日木曜日

第3377話 醤油・味噌・塩 喜多方の味

喜多方ラーメンは都内各地に展開する、
「坂内」しか知らなかった。
神保町と新橋にも系列店を持つ「喜多方食堂」が
元浅草にあると知ったのは5年ほど前。
以来、何度か利用している。

食堂を名乗っていても
定食類のないラーメン専門店だが
朝の7時に開店する。
喜多方の人々は朝からラーメンを
ツルツルやるのだろうかー。

蔵出し醤油と蔵出し味噌が
不動の二枚看板ながら
此度訪れると以前は無かった、
”にんにく香る塩”が新顔として登場。
さっそく試した。

初めてランチタイム前の10時半に入店。
いやはや、驚きましたネ。
こんな時間に席が八割方埋まっている。
日本そばならまだしも下町っ子は
朝から中華そばをツルツルやっていた。

こりゃ、喜多方っ子をとやかく言えんな。
かく言うJ.C.もこんな時間から
ビールをグイグイ飲ってるんじゃ、
土佐っ子をとやかく言えんがネ。

さて、その塩ラーメン。
厚切りチャーシュー2枚にシナチクと
貝割れの具材は、醤油・味噌と一緒。
中太の平打ち麺も変わることがない。

不満なのはこれといった特徴に乏しく、
にんにくのパンチ力も
ミニマム級か、せいぜいフライ級。
井上尚弥と一戦交えたら命の保証はできない。

3つの味を食べ比べた評価は以下の通り。 
醤油ーかなり旨い 
味噌ーとても旨い 
塩ーフツーに旨い  
よってマイベストは味噌である。

個人的には一時、一世を風靡した、
札幌味噌ラーメンより好きだ。
若い頃には好んで食べたが歳とともに
あの挽き肉&もやしがドッサリの
アタマがキツくなってきた。

その点「喜多方食堂」の蔵出し味噌は好い。
半ライスを付けても食べ切れちゃうんだ。
この歳になってもネ。

「喜多方食堂 浅草本店」
 東京都台東区元浅草4-17-15
 050-1524-0904

2023年10月4日水曜日

第3376話 武蔵新田は かつての花街

旧東急目蒲線は現在、
目黒線と多摩川線に分かれている。
よって目黒から蒲田に直通する電車は走っていない。
多摩川線7駅中、J.C.が一番好きなのは武蔵新田。
此処はかつて花街、いや、色街、
いやいや、赤線地帯が当たっているだろう。

ルーツは深川の洲崎。
戦況が悪化の一途をたどる昭和19年に
業者の一部が羽田の穴守へ移転したものの、
飛行場拡張のため、さらに移って来たのが
武蔵新田カフェー街というわけだ。
終戦直前だったのでポツダム赤線とも呼ばれた。

今では往時を偲ぶよすがとてないが
雰囲気というか、佇まいというか、
好きな町である。

最後に来たのは4年前の夏。
大衆酒場「白鶴」で飲んだ。
近いうちに新しいのみとも、
”白鶴”を誘って来よう。

てなこって、今宵も「白鶴 駅前店」。
あれっ、まだ開いてないゾ。
わりかし早い開店のはずだが、時刻はまだ16時。
店頭に開店時間が明記されておらず、
店先でボーッと待ってたひにゃ、
チコちゃんに叱られる。

念のため、近くの本店に廻ると暖簾が出ている。
よし、こっちにするかー。
しかし入店したら、まだだと言う。
「暖簾が出てるヨ」
「すいません、4時半からなんです」
「駅前店も一緒?」
「そうなんです」

界隈をブラブラして時間をつぶし、駅前店へ。
ドライの中瓶と皿うどんを通した。
時間の経過とともに食感の変わる、
皿うどんを肴に飲むのは好きだ。
具材はというと、豚小間、小エビ、
かまぼこ、キャベツ、にんじん、玉ねぎ。
過不足ない仕上がりに満足、満足。

半分食べ進み、ホッピーの白に切り替え、
焼き鳥の正肉を2本、塩で追加した。
テーブル席に比べ、
あまり居心地がいいとはいえないカウンターだが
なぜか落ち着くのが、この店のいいところだ。

中を1杯お替わりし、お勘定は2千円と少々。
線路の向こうの角打ち酒屋が
チラリ頭をよぎったけれど、
今日はこのまま帰ろうか?
取り合えず蒲田へ向かいました。

「白鶴 駅前店」
 東京都大田区矢口1-17-1
 03-3758-2233

2023年10月3日火曜日

第3375話 城南四区を歩く

この日降り立ったのは東急池上線・荏原中延駅。
西島三重子の歌声が耳にこだましているが
もう何度も紹介したことだし、
さすがに浪花の小姑も勘弁しちゃくれめェ。

ここは品川区。
アーケードの商店街を抜け、
大井町線に沿って中延から荏原町へと歩む。
コンパクトな荏原町は好きなんだ。

続いてやって来たのは
池上線と大井町線が交わる旗の台。
給油のために食堂「まるやま」へ。

ドライの中瓶とポテトサラダをお願いする。
ポテサラはあまり関心しなかった。
家の近くの精肉店のほうがずっといい。

カッコがつかないからナスみそ炒めを追加。
これもパッとしなかった。
ナスとピーマンの鉄火味噌は岡澤家の常備菜。
ここは迷うことなく母親に軍配である。

大田区・北千束を20年ぶりに歩く。
相変わらず何もない町だが近代的になったぶん、
情緒が薄れ、味気ないことこの上なし。

さらに大岡山へと進み、
駅前の商店街をぶらぶら。
さすがに疲れた。

そろそろ早めの夕飲みのため、
どこぞへ移動しよう。
大田区・武蔵新田辺りがいいな。
大岡山から電車で向かった。

ところがギッチョン。
目黒線のつもりが乗っていたのは大井町線。
電車は自由が丘に到着。
これならこれでいいや。
沿線の気に入り駅、尾山台で下車した。

駅前から続くゆるやかな坂道は大好き。
おおっと、なじみの牛めし屋があるじゃないかー。
中瓶1本を給油してこの街に来ると必ず立ち寄る、
フレンチ・カフェ兼惣菜屋、
「オー・ボン・ビュータン」に来たら
あいにく定休日と来たもんだ。

しょうがないから初心に戻り、
武蔵新田を目指した。
電車に揺られながら今日を振り返る。
思えば、品川・大田・目黒・世田谷と
城南四区を歩いて来たんだネ。
このクソ暑い中をサ。

2023年10月2日月曜日

第3374話 小さなお店に いきました (その2)

高校の同級生のオッサン3人が
いや、ジイさん3人が出揃った、
観音裏の「ニュー王将」。
隠れ家中の隠れ家が此処である。

料理の注文はJ.C.まかせ、
好きなあの娘は恋まかせ。
立ち上がって店内に一つだけある、
メニューボードにスタスタスタ。

おや? 名代のメンチカツが見当たらんゾ。
調理カウンターを振り返り、
「あれえ、メンチカツがないよぉ!」
「メンチありますよぉ!」ーヤッちゃん応える。
ハハ~ン、載せると注文が集中するので
わざと載せない店の策略だな、これはー。

最初に平目と本まぐろの刺身を通すと
「平目は紅葉おろしとポン酢でいかがです?」
「ですよねェ」

平目は薄造りではなく、わりと肉厚。
旨みたっぷりにしてエンガワも付いている。
まぐろはまぐろで
赤身・中とろ・大とろの三段構え。
正確を期すれば大とろではなく、カマとろだ。

遠来のS水はマイッた!と
云わんばかりに舌鼓を打っている。
そりゃあそうだヨ、
スウェーデンじゃ、こんなの食えめェ。

近来のN田もN田で相好を大きく崩している。
そりゃあそうだヨ、
内房にまぐろは揚がるめェ。

二人は角のハイボールに切り替え、
こちらはさらに中ジョッキを重ねる。
ここでハゼのフライとメンチカツ。
何を食っても旨い店だが
とりわけメンチは東京一のお墨付きを与えたい。

当方も角ハイに移行して料理は
カニサラダ、赤ウインナーフライ、
やりいかゲソバター、ポークチャップと続ける。

3人でハイボールを何杯空けたか数えきれない。
ウスターソースで味付けしたソースチャーハンを
締めとし、これにてお開き。

ママのタエちゃんに
「今度は11月、NY時代の仲間と7人で来るヨ」
「必ずお電話してネ」

♪ 一発お電話 くださるならば
  お席を空けて あなたを待つわ ♪

てなもんや三度笠。

「ニュー王将」
 東京都台東区浅草5-21-7
 03-3875-1066