濠端をさらに歩む。
気象庁、消防庁を通り過ぎ、
大手町1丁目1番地、
三井物産にやって来た。
カルガモの池でも眺めよう。
敷地内に歩を進めると
ややっ! やややっ!
池は消えて芝生が植わっている。
何じゃ、こりゃあ!
いつ埋め立てたんだァ!
責任者、出て来いっ!
カモが戻って来ることは
もう永遠にないだろう。
動物好きには哀し過ぎる結末だ。
カルガモ代わりに
和田倉濠のカメたちを眺めた。
彼らはアカミミではなく、
日本古来のイシガメである。
さすがに天皇陛下のお膝元だ。
丸ビル内を通り抜けると
ほうら、佐藤千夜子が唄い出す。
♪ 恋の丸ビル あの窓あたり
泣いて文書く 人もある
ラッシュアワーに
拾った薔薇を
せめてあの娘の 思い出に ♪
(作詞:西條八十)
「東京行進曲」は1929年のリリース。
この半年後にウォール街は
破綻を迎えることになる。
株価が元の水準に戻るまで
実に四半世紀の歳月を要した。
いくらなんでも「東京行進曲」を
浪花の小姑はご存じあるめェ。
丸ビルを抜けながら思う。
”泣いて文書く”ってオフィス内で
ラブレターを書く娘が
はたしているだろうか?
”ラッシュアワーに拾った薔薇”って
そんなところに薔薇が
落ちているだろうか?
よしんば落ちていても
人々に踏み潰されて粉々だろう。
西條御大の想像力は
われわれの想像を超えてしまう。
鍜治橋通りでガードをくぐり、
交通会館に到着したときは
二人してガス欠状態。
さっそく地下の「徳田酒店」に
飛び込み、カウンターに横並ぶ。
ドライ大瓶を注ぎ合った。
つまみの定番、鯛皮ポン酢に加え、
わかさぎ天ぷら、鰹の塩たたき、
豚バラ黒胡椒焼きを続注する。
結局は薬局、二人で大瓶4本を
空けちゃったのでした。
「徳田屋酒店」
東京都千代田区有楽町2-10-1
東京交通会館 B1F
090-3483-6999