2026年3月14日土曜日

第4018話 歓びアーカイブ 第9回

アーカイブの第9回は
ハマの弘明寺です。
相方は前話の Pチャンとは
無関係の P子です。

2014年10月17日金曜日

第949話 観音に 裏があるなら 下もある (その5)

弘明寺の「廣州亭」で
P 子とビールを酌み交わしながら
料理の出来上がりを待っている。
ふと気がつけば、悩みでもあるのか
接客担当の店主が思案にくれていた。
にわか仕立ての考える人
「開業は何年くらい前ですか?」
「親の代からだから戦前ですねェ」
「オヤジさんが二代目ってこと?」
「ええ、でもアタシで終わりかな?」
笑い顔に悲哀がにじんでいる。

いかにも手造りといった焼売が運ばれた。
ゴツゴツとして肉々しい  
もうちょいと、つなぎの片栗粉や
玉ねぎが主張するタイプが好みだけどなァ。
味にインパクト薄く、
添えられた辛子だけではもの足りない。
そこで酢・醤油・辣油の助けを借りた。

横浜名物・サンマーメンは
小ぶりのドンブリで登場。
 これで400円は大バーゲン
具の野菜にトロみがかかり、
典型的なサンマー・スタイル。
ストレートで色白な麺は
中華街における主流タイプだ。
しかし、焼売同様、
どことなくパンチ不足。
相方が酢を掛けたいと云うので
ご自由にどうぞ!である。

料理に特筆すべき点はないものの、
好きだなこういう店。
この古く良かりし空間に
身を置けただけでもシアワセだった。 
 客層も年配者ばかり
会計を済ませてオモテへ。
目の前に懐旧の情を誘う
「ジャーマン・ベーカリー」があった。
P子はしきりにホットケーキを食べたがる。
しかし、そんなものは
間髪入れずに冷たく却下した。

駅へ戻る道すがら弘明寺観音に立ち寄る。
この寺は瑞應山蓮華院と号し、
1300年の歴史を有する横浜市内最古の寺院。
見たところ、それほどの古刹(こさつ)とも
思えぬがやはり名刹なのだろう、
端正なたたずまいを見せていた。
相方もお気に召したようだ。
仁王門から本堂へつづく石段
二人並んで手を合わせたら
観音下から坂を登り、駅に舞い戻った。
ここから河岸を代えて、
本格的な注ぎ合いが始まる気配なり。

=おしまい=

 「廣州亭」
 神奈川県横浜市南区大橋町3-66
 045-731-391

弘明寺はその後も何度か訪れている。
商店街を歩くのが好きなのです。