2012年5月8日火曜日

第311話 こんなGWは記憶にない (その2)

結局は薬局、9日間の My Golden Week には
飲んだくれて前夜から突入したのである。

田原町の行きつけ店で引き際を誤ったところに
浅草はホッピーロードの名物酒場の大将が現れた。
牛すじ煮込みで名高い「Sちゃん」と言えば、
界隈の呑ン兵衛や競馬ファンなら知らぬ者はあるまい。

お互い行きつけが一緒なもので
ちょくちょく顔を合わせ、気がつけばのみともになっていた。
店のマダムも合わせて3人は気心の知れた者同士、
飲み直しの歌い直しと相成った。
誰が言ったかすでに忘却の彼方なれど、
「明日からはGW、行けるとこまで行けェ!」―
てなことにになっちゃった。
こういう飲み方はよくないんだがねェ、いや、ジッサイ。

戦いすんでオモテに出たのは夜も明けかかる4時半だ。
やれやれ、これでめでたくお開きかと思いきや、
チャリンコにまたがったSちゃん曰く、
「オレの店へ行って飲み直そうや」
「ハイ~ッ(これ肯定じゃなくて驚いてんデス)!
 これから店を開けるワケ?」
「いや、ずっと開いてんの、息子が店番やってっから」
おい、おい、おい、どんな親子だヨ。

でもって再び結局は薬局、ホッピーロードに舞い戻っただヨ。
さすがに名代の牛すじ煮込みは食わんかったが
生ビールや焼酎の緑茶割りを何杯か重ねた。
ハァ~、酔っぱらってんだか眠いんだか、もうワケが判りまへん。
すっかり夜が明けて店を出たのは7時であった。
ゲッ、14時間も飲みっ通しだよォ! それも休憩ナシで。

こんなGW突入はまったく経験がない。
もっともこの次点ではまだ、
まもなくやって来る悪天候を知る由もなし。
とにかく今年のGW初日は徹夜明けとなったのだった。
しかもフラフラのその日を”寝て曜日”に当てること能わず、
午後からは麻雀、夜は食事会ときたもんだ。
これじゃ、カラダにいいわけないよ。

振り返ればこの9日間、浅草にはよく出掛けた。
5回行っているから、打ちも打ったり9打数5安打、
打率は実に5割を超えている。
あとは東京国際フォーラムでパリ管を聴いたり、
春日部のお茶屋さんでハープコンサートのMCを務めたり・・・。

あと2週間ほどで三社祭がやってくる。
だが、ここ数年は祭のあいだは浅草を避けるようになった。
祭の時期は人が多すぎるからだ。
ところが今年はスカイツリー効果なのだろう、
GWの浅草の人出はハンパじゃなかった。
殊に好天に恵まれた子どもの日はスゴいのなんのっ!

やたらめったら雨あられに見舞われたGWではあったが
災害とは無縁の東京に居た人間が文句を言っちゃあ、
バチが当たるというもんでござんしょうかねェ。
あいや、その前に観音さまがお許しにならんでしょうヨ。