2012年5月16日水曜日

第317話 ようやく入った伝法院

地球最後の日、もとい連休最後の日。
早いハナシが5月6日の日曜日であった。
やっとこさ伝法院の庭園に入ることができた。
念願がかなったのである。
伝法院は浅草寺の本坊だが
非公開のため、なかなか訪れる機会に恵まれない。
本坊の建物はともかく常々庭園を拝んでおきたかったのだ。

手元に拝観チケットの半券がある。
=金龍山 浅草寺 東日本大震災復興支援=
   ”大絵馬寺宝展と庭園拝観”
こう銘打たれている。
 ”本展の収益は東日本大震災の
  義援金とさせていただきます”
とも。

ただし、残された半券に料金の記載がなく、
いくらだったか記憶があいまいだ。
あまり高いと思わなかったったから200円か300円、
いや、500円だったかもしれない。
このあたりにおのれのボケを認識してしまう。

と、ここまで書いてやはり気になった。
さいわい半券の裏面に
「浅草寺特別展示館・庭園」の代表番号が明記されている。
さっそくダイヤルして確認したら300円だった。
加えて庭園開放の最終日が
5月6日ではなく、7日であったことも判明した。
やれやれ、ボケの再認識である。

ともあれ入場後、
大絵馬寺宝展はザッと流して待望の庭園へ。
まずは庭の中心を占める池のほとりを一めぐりする。
両国の旧安田庭園に似ていないこともない。
あちらの池は心字池と称するようだが
こちらの池に名前はないらしい。
ただ、伝法院庭園の池には背景に五重塔が控えている。
これが絶対の強みであろう。
ここ以上の撮影スポットはなし
コンパクトな庭なれど、
こういうものは大きければよいというものでもない。

ヒマに任せて庭内をゆっくりと歩む。
ただし、池のほとりはほとんど狭い一本道につき、
誰かが途中で立ち止まると後方にその影響がモロに出る。
したがって三脚を使用しての写真撮影はご法度だ。

新緑の五月もさることながら
ひと月前の桜のシーズンは見頃であったろう。
しばしとどまって思うに
この庭園を常時公開するのは無理との結論に達した。
浅草寺の参拝客の3割でもここを歩き回れば、
池に転落するオッチョコチョイが現れるに決まってるからネ。

出口前のスペースから見上げた五重塔がまた絶景だ。
帰り際にパチリと1枚
仲見世を避け、西参道を進みながら思案投げ首。
はて、今宵はどこで飲むとしようか。