2014年4月28日月曜日

第825話 ”食べ”の駱駝に行きました (その2)

谷中銀座を東に歩くと
すぐぶつかるのが夕焼けだんだんなる石段。
この段上から眺める夕陽は格別なものがある。
よってこの愛称が生まれたわけだ。

その夕刻、陽の暮れた石段下に
J.C.オカザワの姿を見ることができた。
べつに見たくもないってか?
ハイ、おっしゃる通り、
軽くスルーして先にお進みくだされ。

待ち合わせたのは「キン肉マン」でお馴染みの中野和雄サン。
いつもニコニコ、好々爺然としたお方なれど、
飲むほどに酔うほどに、過激な発言が飛び出すこともままある。
もっともJ.C.の毒舌に比すれば、ずっとマイルドではありますがネ。

宴のスタートまで30分ほどの間があった。
そこでオジさん二人が向かったのは
谷中銀座に2軒ある精肉店のうちの1軒、
「肉のサトー」の隣りの酒屋「越後屋本店」だ。

愛好者のブログの書き込みには”谷中の角打ち”などと
表現されていたりもするが、角打ちの雰囲気には程遠い。
店頭で生ビールを販売しているにすぎない。
もちろん頼めば、酎ハイやハイボールやカップ酒も飲めよう。

ただし、この店のいいところは店先に縁台を配して
ちょいとした休憩所の役割もはたしていることだ。
アサヒとエビス、2種類の生ビールが楽しめ、
つまみには隣りのメンチやコロッケという寸法。
したがって使い勝手は極めてよろしい。

われははもとより、中野サンもアサヒを選択した。
このとき注ぎ手に言い添えるひとこと。
「泡少なめでネ」―こうでもお願いしないと、
店によってはかなり厚めの泡が
ジョッキの上部を占領することとなる。

そうしてプラコップに注がれたビールの泡は1センチほど。
いいですねェ、こりゃ理想的ですわ。
ジョッキならぬグラス、
いいえ、プラスティックのコップを合わせて乾杯!

今宵の宴会はわれら二人のほかに
妙齢の美女・熟女が4名参加する手はずとなっている。
英雄、色を好む、とは言わぬまでも、
中野御大とて美女を侍らせての酒宴が楽しくないハズはない。
2対4だからハーレム状態とはいかないが
春の宵の色香を味わうにはじゅうぶんであろう。
しかも当夜は楽しみがもう一つあったのだ。

=つづく=

「越後屋本店」
 東京都台東区谷中3-13-2
 03-3821-0983