2017年1月2日月曜日

第1527話 わさび愛しや (その2)

一日遅れで、明けましておめでとうございます。
本年もご愛読、よろしくお願いいたします。

さて、以前にも紹介した、
「有楽町で逢いましょう」をしつっこく取り上げている。
好きな曲、好きな街につき、
ここはご容赦願いたい。

実は先日、自宅にて独りめし。
当夜の献立はというと、

板わさ、真鯛&まぐろ赤身の刺身、温奴、
いなご佃煮、天城のわさび漬け。

包丁は握ったものの、
料理というほどの一品はない。
刺身は気に入って
ここ2年くらい利用している町の鮮魚店のもの。
かまぼこ、いなご(あなごに非ず)、わさび漬けは市販品だ。

温奴というのは主として冬場、
冷奴の代わりにちょくちょく食卓にのぼる。
もめん豆腐の上からきざんだ長ねぎ、けずり節、
醤油を掛け回して1分ほどチンしたものである。
手軽にしてなかなか美味しい。

板わさにしろ、刺身にしろ、わさびを欠かすことはできない。
わが家では冷蔵庫に生わさびを常備している。
1L入りクラブソーダの上部を切り取った、
ペットボトルに水を張り、大き目のを1本、保存している。
毎日、水を替えてやると、これが1ヶ月以上も元気でいる。
保存というより飼育している感覚だ。

その夜も生わさびを取り出し、
プラスティックのおろし板ですりおろした。
100円ショップで購入したおろし板は実に優れモノ。
以前はちょいと高価なさめ皮製を使っていたが
安物のプラスチックのほうが断然、勝手がよろしい。

しかも、板の両面使えるコンヴァーシブル、
粗目、細目を選択できるのだ。
浅草は馬道の「弁天山美家古寿司」。
今は亡き四代目親方が言っていた。

鮨屋でさめ皮は駄目。
大きいあたり金(がね)で
ガシガシおろさないといけねェ。

まさしくその通りで、かの達人の偉大さを
あらためて目の当たりにした次第だ。

=つづく=