みちのく郡山にいる。
おそらくこの街でもっとも有名な店にいる。
街とともに65年を生き抜いてきた大衆食堂は
市民に愛されながら
旅人にも一献一飯の歓びを提供し続けている。
おっと、目の前に横たわる豚クンであった。
厚切りのポークソテーは肉質、火の通し、ソース、
いずれも水準をクリアしている。
問題はただ一つ、ガルニテュール、
いわゆる付合わせでありました。
前話のスナップからはよく判らないが
ポークの左側に添えられた品々は3点。
レモンスライス、ポテトサラダ、千切りキャベツである。
それぞれに何の落ち度もないけれど、これがよろしくない。
ポークソテーに限らず、ローストチキンにせよ、
ビーフステーキにせよ、ラムチョップにせよ、
温かい料理には温かいガルニが必要不可欠なのだ。
ただし、揚げ物は例外でポテサラ、キャベツは
とんかつや海老フライにはよくとも
ポークソテーや平目のムニエルにはいけません。
じゃあ、どんな付合わせがいいんだ! ってか?
J.C.がまだ大学に籍を置いていた頃、
もっぱら某ホテルでバイトに励んだが
そこでフランス料理のABCを学んだのだった。
温野菜のガルニテュールには
御三家ともいうべき定番があり、
仏語のメニューにはこのように記されていた。
① Haricot Vert
② Carrots Vichy
③ Pommes de Terre Frites
①はアリコ・ヴェール。
緑のサヤインゲンだ。
②はキャロット・ヴィシー。
ヴィシーは中部フランスの保養地でミネラルウォーターの産地。
③はポム・ドゥ・テール・フリット。
大地のリンゴ=じゃが芋のフライである。
付合わせに温野菜がほしいけれど、
65年もの長きに渡って郡山市民の愛顧を賜った、
老舗中の老舗に些細なことでケチをつけちゃいけないネ。
=つづく=
おそらくこの街でもっとも有名な店にいる。
街とともに65年を生き抜いてきた大衆食堂は
市民に愛されながら
旅人にも一献一飯の歓びを提供し続けている。
おっと、目の前に横たわる豚クンであった。
厚切りのポークソテーは肉質、火の通し、ソース、
いずれも水準をクリアしている。
問題はただ一つ、ガルニテュール、
いわゆる付合わせでありました。
前話のスナップからはよく判らないが
ポークの左側に添えられた品々は3点。
レモンスライス、ポテトサラダ、千切りキャベツである。
それぞれに何の落ち度もないけれど、これがよろしくない。
ポークソテーに限らず、ローストチキンにせよ、
ビーフステーキにせよ、ラムチョップにせよ、
温かい料理には温かいガルニが必要不可欠なのだ。
ただし、揚げ物は例外でポテサラ、キャベツは
とんかつや海老フライにはよくとも
ポークソテーや平目のムニエルにはいけません。
じゃあ、どんな付合わせがいいんだ! ってか?
J.C.がまだ大学に籍を置いていた頃、
もっぱら某ホテルでバイトに励んだが
そこでフランス料理のABCを学んだのだった。
温野菜のガルニテュールには
御三家ともいうべき定番があり、
仏語のメニューにはこのように記されていた。
① Haricot Vert
② Carrots Vichy
③ Pommes de Terre Frites
①はアリコ・ヴェール。
緑のサヤインゲンだ。
②はキャロット・ヴィシー。
ヴィシーは中部フランスの保養地でミネラルウォーターの産地。
③はポム・ドゥ・テール・フリット。
大地のリンゴ=じゃが芋のフライである。
付合わせに温野菜がほしいけれど、
65年もの長きに渡って郡山市民の愛顧を賜った、
老舗中の老舗に些細なことでケチをつけちゃいけないネ。
=つづく=