2017年3月21日火曜日

第1583話 演歌の世界の稀勢の里 (その1)

遅咲き横綱・稀勢の里。
まったくもって何度期待を裏切られたか数知れない。
とにかくあの恵まれた身体だもの、
十両に落ちたが相撲巧者、安美錦の上手さ、
あるいは狡さのどちらか一つでも備えていれば
とっくもとっく、大とっくの昔に横綱に上り詰めていたハズ。
ずいぶんと回り道をしたものだ。

  ♪    桜の花のような
     小雪がふりかかる
     お前のおくれ髪を
     この手でなでつける
     まわり道を したけれど
     めぐり逢えたら いいさいいさ
     遅れてやってきた
     二人の春に 乾杯を ああ・・・  ♪
        (作詞:なかにし礼)

1982年当時、現役の大関だった琴風が歌った「まわり道」。
歌詞の内容は相撲と関係ないけれど、
”まわり道”と関取つながりでつい、紹介してみました。

おくれてやって来た、角界の稀勢の里のように
歌謡界の遅咲きスターが村田英雄である。
同じ浪曲出身の三波春夫とは実に対照的だった。

1957年に歌謡界デビューをはたした三波は
早くもシングル第2弾、「チャンチキおけさ」が大ヒット。
しかもB面にカップリングされた「船方さんよ」まで
A面に負けず劣らずのヒットときては
本人も所属レコード会社のテイチクも
笑いが止まらなかったことだろう。

三波は’59年に歌謡史に燦然と輝く名曲、
「大利根無情」を出して国民的歌手の道を邁進してゆく。
なにせオリンピックと万博の両テーマを
独りでこなしちゃうんだもんねェ。

  ♪    無事に迎える 千秋楽の
     汗もにじんだ この十五日
     今場所済んだが 来場所目指し
     けいこ重ねて どんと体当たり
     男勝負の 男勝負の 道を行く  ♪
     (作詞:二階堂伸 作曲:北くすお)

再び村田英雄の「男の土俵」。
前話でい1番を披露したので今話は3番。
そう、作詞・作曲であった。
何を隠そう、上記の二階堂サンも北サンも
村田自身なのである。

=つづく=