2018年2月5日月曜日

第1802話 うなぎで暮れて うなぎで明けた (その2)

さいたま市浦和区で
江戸前うなぎを謳っている「彦星」。
ヒレと肝のたれ焼きをいただき、
肝わさに食指を伸ばそうとしている。
たまたま隣りの客が注文した実物を拝み、
ちょいとばかり、ちゅうちょしたところだ。

T栄サンはそれならば、う巻きのほうがいいと言う。
ですよねェ。
すんなり要望を受け入れて
自分ではめったにオーダーしない一品をお願い。
概して玉子焼きは好きだが
蒲焼きの前に、う巻きやうざくは頼まない主義。
いわゆるモツに当たる肝やヒレは別扱いだ。
はたしてキレイに仕上がったう巻きはお味も上々。
つい、誘われて熱燗のお替わりである。

そうこうしているうち、持ち帰りの客が出たり入ったり。
けっこうな繁盛ぶりだ。
すると、店主が在庫の匹数を数え始めるじゃないの。
なんかオーバーブッキングして慌てている様子。
ここで状況を察した人の好い(?)J.C.が
協力の手を差し伸べた。

「大将! われわれのうな重は一人前でいいからね」
「エッ? そりゃ、どうも!」
よって、うな重(梅)は相方に進呈する。
もっとも二口ほどいただきましたがネ。
これが2017年、最後の外食になったわけです。

明けて2018年。
またたく間に三が日が過ぎ去り、その週末。
ここのところ月に一度は遠征している高幡不動へ向かった。
同好の士による新年会のために―。

会場はお不動さまの正前に構える「羊の羽」で
これまたうなぎ屋さんだ。
奇妙な屋号は”翔”の字を分離させたものらしい。
店主の名前かもしれないな。

集結したメンバーは総勢8名。
J.C.以外はすべて女性である。
それも奥の座敷にギュウギュウ詰めときたもんだ。
「上手いことやりやがって!」などと誹るなかれ。
みなさんかなりのご年配だからサ。

仲間の一人が
「紅一点の正反対、黒一点ネ」―
のたまわったが紅白歌合戦に倣えば、
白一点が正しいんじゃないかな?
まっ、こういうものは敢えて黒白(こくびゃく)を
つけぬほうがよろしいのでありましょう。

=つづく=

「彦星」
 埼玉県さいたま市浦和区高砂2-8-9
 048-825-9157