2019年3月29日金曜日

第2099話 旧友 マニラより来たる (その1)

フィリピンのマニラで事業に勤しんでいる、
旧友・半チャンと久方ぶりの再会。
よく食べ、よく飲み、よく歌う友は
まさにキング・オヴ・サントモである。

J.C.はもう長いこと、競馬から遠ざかっていて
近頃の競馬界にまったく疎いのだけれど、
この人は中央競馬の大馬主でもある。
当然、持ち馬の馬券を大量に買うのは毎度のこと。
よって、食べ・飲み・歌うに加え、
打つ・買うまで完璧にこなす、
いわば天下の大悪党、もとい、大御所と言ってよい。

ずいぶん以前、特筆に値する”事件”が起こり、
当時のマイ・ブログでも紹介したのだが
いま一度、そのことを振り返ってみたい。

浅草の観音裏で仲間数人とあちこちハシゴしたあと、
最後に田原町に移動して
J.C.行き着けのスナックに収まった。
かなりの長丁場につき、
仲間たちは一人、また一人と
まるで櫛の歯が欠けるように抜けていった。

取り残されたのはわれら二人のみ。
ふと、掛け時計を見上げれば、午前3時ときたもんだ。
ここで敬愛するフランクの「東京午前三時」を
披露したいところなれど、
大阪在住のわが小姑・らびちゃんから
クレームがつきそうなので自重する。
その代わり、CDを聴きながらコレを書いている。

う~ん、やっぱりいいねェ。
あゝ、あの時代の東京に戻りたい。
ん? 何だって? 聴いてみたい?
サワリだけでも紹介しろ! ってか?
しょうがない人たちだなァ、甘えてばかりいて―。
じゃ、ちょっとだけヨ。

♪   真ッ紅なドレスが よく似合う
  あの娘想うて むせぶのか
  ナイト・クラブの 青い灯に
  甘くやさしい サキソホン
  ああ 東京の
  夜の名残りの 午前三時よ  ♪
     (作詞:佐伯孝夫)

ありゃ、ちょっとのつもりが1番全部やっちゃったヨ。
あ~、らびちゃんに叱られる!

=つづく=